◇5日 F1第4戦日本GP初日(鈴鹿サーキット)

 2022年を最後にF1を引退した元王者のセバスチャン・ベッテル(36)=ドイツ=のF1復帰説が浮上している。来季からフェラーリに移籍することが内定しているメルセデスのルイス・ハミルトン(英国も)も4日の開幕前日に「チームにとって素晴らしい選択肢になる。彼ならチームを前進させ続けてくれるはずだ」と後任ドライバーとして推奨しており、2年のブランクがあったとしてもチームをけん引する存在になるとみている。

 メルセデスでは2006年に引退した元王者のミハエル・シューマッハー(ドイツ)を4年後の10年にカムバックさせた前例がある。このほか、18年にマクラーレンを最後にF1から退いたフェルナンド・アロンソが21年にアルピーヌから復帰した。

 メルセデスのトト・ウルフ代表は5日のチーム首脳陣による公式記者会見に出席し、ベッテル復帰説について「決して値引かれるような人物ではない。驚異的な記録も残している」としながらも「まだ決定は下されていないし、それは今後数週間以内にそれが遂行される予定もない。現時点でドライバーを決めるのは時期尚早」と語るにとどめた。

 ベッテルは3月にポルシェの耐久レース用車両の走行テストに参加するなど技量は衰えていない様子。ベッテルにとってもハミルトンの抜けた穴を埋めてチームの復権に一役買うことは悪い話ではない。