◇7日 F1第4戦日本GP(鈴鹿サーキット)

 RBの角田裕毅が母国グランプリで初入賞となる10位に食い込んだ。日本人が日本GPで入賞するのは2012年に3位表彰台を獲得した小林可夢偉(当時ザウバー)以来、12年ぶり。初の春開催で満開の桜が咲き誇るなか最後まで入賞争いを繰り広げ、10万2000人の大観衆から熱い声援を送られた。

 「やっぱり感動しましたね。皆さんの期待に応えられたことが日本人して一番うれしい。(ゴール後は)感謝を伝えながら1周できた」。これで7位に入った前戦オーストラリアGPから2戦連続入賞となり、チームに貴重な1ポイントをもたらした。

 10番グリッドからスタートするも他車のクラッシュで赤旗中断。12番手に後退して再レースとなったが、ロケットスタートを決め、序盤は入賞圏内を走行した。

 圧巻だったのは22周終了時のピットストップだ。角田を含めて5台が同時にタイヤ交換に入ったが、真っ先にピットアウトして順位を大きく回復させた。タイヤ交換を担うのはチームのクルーたち。チームの無線でも「トップジョブ、グッドジョブ」と感謝の思いを伝え、レース後も「いやぁ、めちゃめちゃ速かった」と完璧な仕事ぶりをたたえた。

 F1の入賞は10位まで。今季はレッドブル、メルセデス、フェラーリ、マクラーレン、アストンマーティンの5強の一角を崩さなければ点を取ることができない構図だが、この日のレースでは上位勢が1台もリタイアしなかった中でもアストンマーティンのランス・ストロールの1台を食う活躍を見せた。

 「最後までタイヤを温存してストロールが来るのに備えていた」。過去にはタイヤ戦略の失敗で順位を落とすレースもあったが、最後までシナリオは完璧。最終盤の51周に自身のベストラップを刻むなど、余力を残してチェッカーフラッグを受けることができた。

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【F1第4戦日本GP決勝最終結果】

1 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

2 セルジオ・ペレス(レッドブル)

3 カルロス・サインツ(フェラーリ)

4 シャルル・ルクレール(フェラーリ)

5 ランド・ノリス(マクラーレン)

6 フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)

7 ジョージ・ラッセル(メルセデス)

8 オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

9 ルイス・ハミルトン(メルセデス)

10 角田裕毅(RB)

(以上入賞)

11 ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)

12 ランス・ストロール(アストンマーティン)

13 ケビン・マグヌッセン(ハース)

14 バルテリ・ボッタス(キックザウバー)

15 エステバン・オコン(アルピーヌ)

16 ピエール・ガスリー(アルピーヌ)

17 ローガン・サージェント(ウィリアムズ)

リタイア 周冠宇(キックザウバー)

リタイア ダニエル・リカルド(RB)

リタイア アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)