【TPC秋山響の海外競馬解析】今年で150回目を迎える米国の3歳3冠初戦・GⅠケンタッキーダービー(チャーチルダウンズ競馬場・ダート10ハロン)が5月4日に迫った。今年はGⅡ・UAEダービーを含む5戦5勝のフォーエバーヤング(牡=父リアルスティール・矢作)、オープン・伏竜Sを含む2戦2勝のテーオーパスワード(牡=父コパノリッキー・高柳大)と日本から無敗馬2頭が挑戦。JRAでも馬券発売が行われる。

 今年1番人気になりそうなのは昨年のGⅠ・BCジュヴェナイル(ダート8・5ハロン)を6馬身1/4差で快勝し、前走3月のGⅠフロリダダービー(ダート9ハロン)もレース史上最大着差となる13馬身半差で大勝したフィアースネス(牡=父シティオブライト、T・プレッチャー厩舎)。

 実はフィアースネスがフロリダダービーで記録した110というベイヤー指数(米国で広く用いられるスピード指数)は今年の米国のダート競馬では古馬を含めてナンバーワンの数字(参考までに1月のGⅠペガサスワールドC優勝時の4歳牡馬ナショナルトレジャーは105)。ケンタッキーダービー出走予定馬では2位ミスティックダンの101(GⅢサウスウエストS優勝時)を大きく引き離すもの。指数的には〝1強〟感が強い。

 ただ、フィアースネスはデビュー2戦目のGⅠシャンペンSで不良馬場ではあったが勝ち馬から約20馬身離された7着、2走前のGⅢホーリーブルSもスタート直後にごちゃついたこと+勝ち馬よりも6ポンド重い斤量だったとはいえ3馬身半差の3着と、これまで5戦のキャリアで2度凡走。パフォーマンスの浮き沈みが大きく、どうにもつかみがたいところがある。MAX能力の高さは疑いようがないが、果たして大一番の今回はどちらの顔を見せるのか。注目の一戦になる。

ケンタッキーダービーに挑むフォーエバーヤング
ケンタッキーダービーに挑むフォーエバーヤング

著者:東スポ競馬編集部