そろそろ乗っ込みクロダイが釣れないかと3月31日、釣友の松井伸樹さん(58)と福井県越前町左右(そう)の磯へ。予想外の悪天で条件は悪かったが、松井さんが一瞬のチャンスを捉えて44センチを仕留めた。

 前日からの波は収まる予報だったが、午前5時半出船の30分前に港に着くとまだ波が高い。「出船は厳しいかな」と話していると、船長が安全な磯限定で出してくれた。だが、午後から波がさらに高くなる予想から3時納竿で了承した。

 私と松井さんは青岩に渡礁。松井さんは沖向きで私は弁天向き。まだハシリの時期だけにいきなり沖は狙わず、2〜3メートル先にまき餌して仕掛けを投入。まき餌は比較的広範囲にして周りのクロダイを呼び込む戦略だ。

 前週からの荒れで水温が下がっていて魚の動きが悪い。竿1本分までを中心に狙うと2時間後、松井さんの「来た来た来た〜」の声。竿を大きく曲げる強烈な引きに「カンダイかもしれん」と言うが、海中で光りながら反転する魚体に「クロダイやで」と私。海面に上がった魚体は44センチのクロダイだった。

 それまで松井さんは足元から沖に出る速い潮に苦戦していたが、潮が緩んでチャンス到来。ウキがジワジワ沈んで「潜り潮か」と思っていると、そのままウキが消し込んだという。その後は時間だけが過ぎ、若狭名物のフグアタリもない。こんな時は仕掛けをゆっくり流したいが、風が南西から北に変わり波も大きくなって仕掛けがあっという間に流されるなか、午後3時の納竿を迎えた。渡船料半日4000円、1日5000円。(問)あたらしや渡船=(電)0778(37)0261▽つりエサスーパー越前=(電)0770(36)1142

 (敦賀市在住・前原弘和)