◇17日 JリーグYBCルヴァン杯2回戦 名古屋2―0大宮(NACK5スタジアム)

 名古屋グランパスが大宮に勝ち、5月にある3回戦へ駒を進めた。

 ゴール裏の観客席に向け、FWパトリックが何度も拳を振り上げた。その動きに合わせた歓声はさながらロックコンサート会場のよう。「点を決めた後にサポーターと一緒にいるんだということを見せられた」。移籍後初ゴールを含む2得点。パトリックの夜だった。

 1点目は前半追加タイム1分。倍井の右CKにニアサイドへ走り込んで頭で合わせた。「自分の強みを見せることができた。今週はヘディングを40回くらい練習したからね」。日頃から磨く得意技がさく裂。白い歯を見せて笑顔を見せた。

 必死に走る姿勢が2点目を呼び込んだ。後半7分、相手GK加藤へのバックパスを「ピッチがぬれていたからボールが走ると思った」と全速力でチェイスし、トラップミスを誘発。加藤に倒されてPKを獲得し、自ら左に沈めた。

 この日はヘディングシュートの自主練習で、相手になってもらうこともある新人GKピサノのプロ初戦。「可能性がある選手だし、自信という意味でも伝えることができた。後ろの選手はほっとしたと思う」。36歳から18歳へ、デビュー戦の勝利をプレゼントした。