◇17日 中日2―0ヤクルト(バンテリンドームナゴヤ)

 「恐竜の日」の17日、中日が2015年以来9年ぶりにリーグ10勝一番乗りを果たした。バンテリンドームナゴヤでヤクルトに2―0で競り勝ち、2連勝。故障で戦線離脱した高橋周に代わって三塁に入ったオルランド・カリステ内野手(32)が決勝打を放った。2010年9月の球団記録に並ぶ12試合連続2失点以下を記録した投手力に加え、層が厚くなった野手陣も要所で奮闘。”強竜の日”を印象付けた。 頰を緩めた立浪監督がグラウンドへ出る。ナインと力強いハイタッチを交わす。高橋周の右ふくらはぎ肉離れのため、三塁で代役出場したカリステが両軍無得点の6回に決勝の2点左前打を放ち、8回の守備では新加入の一塁・中田がハーフバウンドの難しい送球を処理して併殺を完成。9回は絶対守護神マルティネスが3人斬りする会心の一勝。チームはリーグ10勝一番乗りした。

 「一つ一つ、勝ちを積み重ねていけるように1試合1試合戦っていきたい。今、いい野球ができている。なかなか点数をたくさん取れないが、今後もこの野球を続けていきたい」。指揮官は気持ちを引き締めた。

 リーグを席巻する立浪竜の快進撃。貯金6は2020年10月28日以来、4年ぶり。リーグ10勝一番乗りは9年ぶり。2年連続最下位から上位を狙う立浪流のチーム操縦法”立浪ノミクス”には3本の矢がある。1本目はフロントと一体となった中田獲得。2本目は内野の堅実な守り。3本目は体調マネジメントとなる。

 「打線に4番という柱を1本、と思っていた。中田の存在は大きいです」と立浪監督。新4番の中田と5番・細川で得点するスタイルを確立した。カリステから飛び出した決勝打は、2死から中田が四球で、細川が左翼フェンス直撃二塁打でつくった二、三塁の好機だった。

 二遊間は二塁田中、遊撃ロドリゲスでスタートした。遊撃はカリビアンと村松、山本を相性や調子で代わる代わる起用する。「とにかくアウトにできる打球をアウトにしてもらいたい。去年から思っています」。視野が広く、相手の嫌がるプレーをする田中の起用は右肩脱臼のため、昨季できなかった。温めていた構想が花開いている。

 体調マネジメントは田中らへの措置。亜大時代に国指定の難病・潰瘍性大腸炎で大腸を全摘出している背番号2を、練習日は全体メニューから外している。トレーニングよりも休養。試合前のシートノックにも入らなくていい。「(田中)幹也はほかの選手と体が違いますから。彼にしか分からないこともある」。優先順位をつけてグラウンドへ送り出す。...