バドミントン男子で元世界ランキング1位の桃田賢斗(29)=NTT東日本=が18日、東京都内で会見を開き、27日から中国・成都で開催される国別対抗戦「トマス杯」をもって日本代表を引退すると発表した。

 一番の思い出に2018年9月のジャパンオープン初優勝を挙げた。16年4月に違法賭博問題で出場停止処分を受け、17年5月に復帰。桃田は「出場停止処分を処分から2017年に復帰して、正直応援されないんじゃないかというネガティブな気持ちがあった」と当時の心境を明かした。

 地元開催の国際大会でコートに立つと「たくさんの人に応援してもらい、いつも以上の力を出すことができたことをすごく覚えてます」と振り返り、「大きな国際大会で結果を出すことが、僕なりの恩返しの仕方だと思っていたので、それを形にできたのがすごくうれしかった」と理由を挙げた。

 今後は国内で現役を続ける一方、被災地・福島などで子どもたちに指導したり、イベントなどを開く予定という。10代から国際大会の連続で国内にいる時間は少なかった。桃田は日本代表引退後にしたいことについて「自動車の免許を取りに行きたいと思っています」と話した。自らハンドルを握り、バドミントンの楽しさを伝える”伝道者”を目指す。

 ▼桃田賢斗(ももた・けんと) 1994年9月1日生まれ、香川県三野町(現・三豊市)出身の29歳。2012年世界ジュニア選手権優勝。富岡高(福島)を経て13年NTT東日本入り。15年世界選手権で銅、16年リオデジャネイロ五輪前の同年4月に違法賭博問題で出場停止処分を受け、17年5月に復帰。18、19年世界選手権を連覇、18年9月には世界ランク1位に輝いた。20年1月にマレーシア遠征中の交通事故で右眼窩底を骨折。21年東京五輪は1次リーグ敗退。