◇F1 第5戦 中国GP 18日

 上海国際サーキット(5・451キロ) ペン=尾張正博

 ビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅(23)が闘志満々だ。上海は初めて走るうえ、今季初のスプリントが実施される難しい状況も、「調子は良いし、楽観的な気分。初のコースなので楽しみ」となんのその。前戦日本GP(7日)では“3度目の正直”で母国レース初入賞(10位)を成し遂げ、表情にも自信がみなぎる。今季はクルマの感触が上々で、ドライバーとしての確かな成長も実感中。さらなるアピールをもくろみ、自身初の3戦連続入賞を目指す。

 精神的に一回り大きくなった角田が、初挑戦の中国GPにワクワク感いっぱいだ。「すごく楽しみ。スプリント週末は簡単じゃないし、上海でレースするのは初めてだけど、鈴鹿(日本GP)より良いことを期待している。チームは好パフォーマンスを披露し続けているし、クルマも良いから」

 新型コロナ禍で5年ぶりの開催となり、初めて走るコースにやる気をかき立てられている。特にターン1〜3の渦巻きのようなレイアウトに、「右にぐるっと回り込んだら、すぐに左回りに切り替わる」と興味津々。電動スクーターでコースを下見し、「レースでは間違いなくタイヤ管理が鍵になる」と厳しい消耗戦を見据えた。

 今季はトップ5チームの一角を切り崩し続け、中団チームで随一の好成績を残している。第2戦サウジアラビアGPから3戦連続で予選の最終Q3に進出し、第3戦オーストラリアGP(7位)、第4戦日本GPと2戦連続入賞。特に「去年よりも大きな期待と責任を感じていた」と明かす母国GPでの初入賞は、大きな自信につながった。

 「毎レース、自分を向上させられている。クルマのパフォーマンスも良いし、僕自身もチームもステップアップして、トップ10で戦えるようになった。全てが正しい方向に向かっていると思う。今大会もパフォーマンスを最大限に発揮したい」

 F1デビューした2021年から課題と言われ続けてきた精神面も成熟しつつあり、所属するレッドブル陣営での評価も高まってきた。それでも、「まだ(成長の)途中。究極の形にはなっていない」と伸びしろを強調。自らの理想とするドライバー像を目指し、コースで好結果を残すべく集中し続ける。