◇20日 阪神15―2中日(甲子園)

 中日は20日の阪神戦(甲子園)で2―15と大敗し、今季初の3連敗を喫した。先発・大野雄大投手(35)が2回途中KO。四球、失策が絡み、負けるべくして負けた試合だった。

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 大敗の中で、山本泰寛が気を吐いた。試合のほとんどで響いたトラ党の歓声が一瞬、静まり返ったのは1点を先制されて迎えた2回だ。先頭・細川が二塁打で出塁して迎えたこの日最初の打席。「走者を進められるように右方向を意識して」。1ボール2ストライクから阪神先発・大竹が投じた高めカットボールをおっつけると打球は一塁線を抜けた。同点に追い付く適時二塁打だ。

 「結果が出ていることはいいこと」。続く上林の右前打で三塁へ進み、8番・加藤匠の二ゴロで一時は逆転のホームを踏んだ。

 とにかく古巣相手によく打つ。竜移籍後初スタメンとなった4月13日の阪神戦(バンテリン)で適時打を含む3安打。ここまで5試合に出場(うちスタメンは4試合)して、16打数6安打で打率3割7分5厘。今季の3打点はいずれもトラから挙げている。

 2021年から昨季までの3年間縦じまのユニホームに袖を通した男は、甲子園の独特な雰囲気も楽しめる。四方から感じるトラ党の声援にも「全然重圧に感じないです」とさらり。「去年まで応援していただいたファンの方の声援でもあります。僕は力に変えられますね」と言ってのけた。