◇23日 巨人2−0中日(ひたちなか市民球場)

 ホームが急に遠くなった。中日は23日の巨人戦(ひたちなか)に0―2で零封負けし、5連敗。3位に順位を落とした。好機をしぶとく生かしてきた打線もここにきて決定打を欠き、これで23イニング連続無得点のトンネルに入り込んだ。24、25日の巨人戦は打者有利とされる東京ドームに場所を移す。久々の打線爆発で、再浮上を図りたい。 どうも流れがこない。スイープを食らった甲子園から移動日を挟んだ茨城・ひたちなか。本塁が遠い。連続無得点イニングは23へ伸び、直近4戦3度目の零封負け。立浪監督の表情は曇る。

 「ここ数試合、なかなか得点できていない。開幕からチャンスで1本出たり、いい流れのときもあった。ここへきて、なかなか1本出ない」

 最初の好機は4回。4試合ぶりに1番に座った三好が巨人・山崎伊の高めに浮いたフォークを引っぱたく。右中間へはじき返して二塁打。田中の投前犠打で1死三塁と好機を広げた。しかし、カリステは前進守備の正面を突く強い遊撃へのゴロ。門脇にうまくさばかれて三走は動けず。頼みの中田も遊ゴロに倒れた。

 ミスを生かされ、突かれたのが悔しい。初回1死で先発・小笠原がオコエに左翼やや左へ運ばれた。バットの先っぽに当たったことに加え、芝生のクッションで打球は弱まる。二塁を陥れられた。続く坂本の左前打で先制点を奪われた。4回1死では岡本和の飛球を後方へ追った山本が落球。二進も許し、萩尾に左前適時打を放たれた。小笠原は7イニング2失点(自責1)。今季4度目の登板で初黒星を喫した。

 球場が巨人を味方した、と割り切るしかない。試合前は堂上内野守備走塁コーチがグラウンドコンディションを確認し、カリステに「ハード(固い)」と伝えた。三塁でノックを受け始めた中田はすぐに守備位置の一塁へ切り替えた。4回にカリステが放った打球もイレギュラーしている。試合途中からは雨も降り続いた。落球した山本は「特に…」とコメントを避けた。全力は尽くした。ただ、言い訳はできない。うつむいてバスに乗った。

 本塁打は13試合出ていない。1956(昭和31)年以来、68年ぶりで、2リーグ制後では球団ワーストタイ記録となった。だが、チームは守り勝つ野球を掲げる。時には大味のゲームもいい。それよりも、味わい深く奥行きのある試合運びでペナントを戦う。