【福留孝介の目】◇27日 中日4―6広島(バンテリン)

 中日は守りのミスが響く結末となった。1―3で迎えた7回。2死無走者から、菊池の三ゴロをカリステが一塁へ悪送球。ここから野間の右前安打、坂倉の四球とつながれ、小園の右前タイムリーで2点を追加された。

 本紙評論家の福留孝介さんは「8回に追い上げただけに、一つの守備のミスがもったいなかったですね」と指摘する。4点差で迎えた8回、中日は森下を救援した右腕の益田に対して、2死走者なしからカリステの2号ソロ、細川の2試合連続となる5号2ランで1点差。2点差で終盤を迎えていれば、勝機がつかめたと見るのだ。

 中日は2連敗で、3週間ぶりに貯金が消えた。4月に入ってから最初の13試合は10勝2敗1分け。それ以降は5連敗を喫するなど8試合で1勝7敗と急降下。勝率5割に戻っただけに、ここは踏ん張りどころだ。

 開幕1軍から外れていた石川昂が、5回に代打で今季初出場。森下が投じたシュート気味の146キロストレートに三ゴロに倒れたが、福留さんは「悪くない打撃だと思う。しっかりとスイングできていた。今は代打で1球に集中しながら自分のスイングをどうするか考えていけば、変わってくるはず。良い勉強になると思う」と話す。

 また、リーグトップタイの5号となった細川の本塁打については「2ストライクからの内角ツーシームをファウル。次のスライダーをファウルにしたあとの外角高めのストレートを捉えた。ツーシームが来たときは外角に意識があったと思う。その意識を最後まで変えなかったのが良かったと思う」と解説した。勝率5割からの”再出発”へクリーンアップの長打力へ期待が懸かる。