5月9日、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットでWEC世界耐久選手権第3戦『スパ・フランコルシャン6時間レース』のフリープラクティス2回目(FP2)が行われ、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車ポルシェ963(ケビン・エストーレ/アンドレ・ロッテラー/ローレンス・ファントール)が初日最速タイムをマークした。LMGT3クラスではアコーディスASPチームの78号車レクサスRC F GT3(アーノルド・ロバン/クレメンス・シュミット/宮田莉朋)がセッションベストを記録している。

 9日・木曜に開幕したWEC第3戦スパ。走行初日の昼前にスタートしたFP1でグランプリコースを明るく照らしていた日差しは雲に遮られることが多くなったものの、現地17時30分から行われたFP2もドライコンディションでの実施となった。

 90分間のセッション後半に計3度のフルコースイエロー(FCY)が導入されたこのFP2では、ハイパーカークラスの上位6台がトップと1秒以内に入り、このうちの3台がポルシェ963となっている。

 ベストタイムを記録したのは、エストーレ駆る6号車ポルシェでラップタイムは2分04秒162。これはFP1で2番手以下を大きく引き離してみせた50号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)のタイムをさらに1.5秒ほど削ったものだ。その50号車はFP2では0.121秒差の2番手となり、3番手に入った2号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)をわずかに上回った。

 前戦イモラの勝者7号車トヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing)はトップから0.721秒遅れたが4番手の好位置に。ポルシェ963のプライベーター勢がこれに続きハーツ・チーム・JOTAの12号車が5番手、プロトン・コンペティションの99号車が6番手となった。7番手につけた8号車トヨタGR010ハイブリッドと首位6号車ポルシェのタイム差は1.478秒だ。

 LMGT3クラスでは宮田とシュミットが“代打”として加わっている78号車レクサスが一番時計を記録。クラストップタイムはシュミットが記録した2分21秒257だ。レクサスはこのFP2の序盤に姉妹車87号車も2番手につけ、アコーディスASPチームがワン・ツーを築いていた。しかし中盤以降、この間に3台のマシンが入ってきたため木村武史組は5番手で初日を終えている。

 クラス2番手は“女性チーム”ことアイアン・デイムスの85号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2で、タイム差は0.115秒だった。クラス3番手は2分21秒745を記録した46号車BMW M4 GT3(チームWRT)。そこから1000分の11秒差で、初日最速車となった小泉洋史組82号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(TFスポーツ)が続き、FP1でクラス首位だったこのクルマが87号車レクサスを1000分の6秒上回りセッション4番手となっている。

 同クラスに参戦しているこの他の日本勢は、777号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3(Dステーション・レーシング)がトップから0.921秒おくれの7番手、佐藤万璃音組95号車マクラーレン720S GT3エボは1.013秒差の10番手となった。

 ル・マンの“前哨戦”に位置づけられるWEC第3戦スパ・フランコルシャンは、明日5月10日(金)に60分間のFP3と各クラスの予選およびハイパーポールが実施される。FP3は11時(日本時間18時)から、予選の開始時刻は14時45分(日本時間21時45分)だ。