◇第28回「パチンコの発祥は名古屋?」その3

 パチンコの呼び名はどこから来たのか。はっきりとした経緯は分からないという。

 『パチンコ歴史事典』(パチンコ必勝ガイド編)によると「ガチャン」「ガチャンコ」「パチパチ」「パッチン」などと呼ばれていたが、一説では金沢市周辺で用いられていた「パッチン」に方言交じりの「コ」を添えて「パッチンコ」となり、それが詰まって「パチンコ」になったという。そのほか兵庫県西宮市の香炉園海水浴場に開業した遊技場の屋号が「パチパチ」でそこから「パチンコ」に変化したともいわれている。

 この呼称が定着したのは戦前の1930〜32年ごろといわれ、『パチンコ百年史』(アド・サークル刊)によると、1933年に日本領だった樺太(サハリン)の敷香(現・ボロナイスク)の街並みを撮影した写真には「パチンコ」の看板を出した店舗が写っている。

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【参考文献】

『パチンコ百年史』(山田清一、今泉秀夫責任編集、アド・サークル刊)

『パチンコ歴史事典』(パチンコ必勝ガイド編、ガイド・ワークス刊)

『パチンコ博物館』パンフレット

『天の釘』(鈴木笑子著、晩聲社刊)