◇28日 J1第10節 東京V0―0福岡(味の素スタジアム)

 東京Vがまた引き分けた。第10節終了時点で7度目のドローを記録。7戦負けなしとはいえ、わずかに1勝で、地元では依然として白星がない。城福浩監督(63)は「ホームでの勝利をまだ届けられていないことを改めて悔しく思う」と唇をかんだ。

 前後半に1度ずつ訪れた決定機を生かせなかったことが響いた。前半21分にFW木村が放ったヘディングシュートはGKに触られた後、クロスバーにはじかれた。終了間際にはフリーのMFチアゴアウベスが右足で狙ったが、またもやGKの好守に阻まれた。千載一遇のビッグチャンスを逃したチアゴアウベスは「しっかりと決めて、みんなで喜び合いたかった。残念に思う」と肩を落とした。

 前半は主導権を握っていたが、後半は開始からおよそ20分にわたって押し込まれた。その結果、疲弊してしまい、2戦連続のスコアレスドロー。指揮官は「無失点は評価したいが、もっとチームとしてシュートをアグレッシブに打てるような状況にしなければいけなかった」と振り返った。ポゼッション率で上回っていた前半のシュート数はわずかに1本。中盤のキーマンである10番のMF見木は「もっと前に人数をかけていく必要性を感じる」と反省した。

 「勝ち点3を取るっていうのがJ1の中では簡単ではないことは覚悟していた」と話す城福ヴェルディの試練は続く。