◇28日 J1第10節 浦和2―1名古屋(埼玉スタジアム)

 名古屋グランパスは前半に先制を許すと、後半にもPKで追加点を奪われた。後半追加タイム2分にMF和泉竜司(30)が得点したが、無敗は6試合でストップ。7試合ぶりに勝ち点を積み上げられなかった。

 前半24分。その瞬間まで流れはグランパスにあった。GKランゲラックのスローイングがMF米本と息が合わず乱れる。米本とDF河面が必死で自陣深くからかき出したが、和泉が頭でそらしきれない。慌てて帰陣したMF稲垣のクリアミスも絡み、ボールは浦和のFWチアゴサンタナへ。最後はMF安居に流し込まれた。

 それまでが今季最良の内容だっただけに、長谷川健太監督(58)も「防げた失点ではあったと思う」と悔やむ。ランゲラックは自身のスローイングについて、感情を押し殺すように「それはコメントしづらい」とだけ声を絞り出した。

 7試合ぶりの敗戦が色濃くなったのは、後半25分。自陣エリア内を崩され、稲垣が浦和のFW前田へのファウルでPK。チアゴサンタナに沈められた。稲垣はチーム全体の対応が後手に回ったと振り返りつつ、「自分の対応も、そこの紙一重の世界で戦っている。個人的に突き詰めてやっていければ」と一歩及ばずファウルになった反省を口にした。

 ミス絡みの失点で、流れを手放した敗戦。稲垣は「僕も含め、もう少しできたかなというのはある。ミスが重ならないように減らす、どこかで切るというのはある」と悔やむともに、こうも振り返る。

 「1失点してもその後2点取っていこうよというところ。自分たちがどう盛り返していけるか、逆転できるかにフォーカスしていくべき」

 前節までできていなかった主導権を握る展開はつくれた。必要なのはミスが起こっても流れを離さないだけの決定機。この試合で得た教訓を生かせるかどうかが、中4日で再び試される。