◇29日(日本時間30日)MLB ダイヤモンドバックス4―8ドジャース(フェニックス)

 ドジャースの大谷翔平選手は、敵地のダイヤモンドバックス戦でタイムリーヒットを放つなど4打数2安打、1打点1四球。5試合ぶりのマルチ安打をマークした。試合は昨季ドジャースを撃破してワールドシリーズに駒を進めたDバックスとの今季初対戦を制した。

 やはり米メディアの大谷の話題は「得点圏に走者を置いた場面(RISP)」での打撃だった。2回1死満塁で、初球のカーブを引っ掛けて二ゴロ併殺打。この時点で今季のRISP打率は1割7分1厘(35打数6安打)まで落ち込み、地元中継局スポーツネットLAのヘアストン解説者は「これが変化球を狙った上での打撃ならば気にしないが、直球を狙ってあの厳しい球に、特に初球に手を出したのならば問題だ」とした。

 だが、8回無死一、二塁の最終第5打席は高めのカットボールを左前に痛打し、タイムリーヒット。試合後、同解説者は「これまでの大谷はRISPで素晴らしかった。おそらく、新天地で『力を見せなきゃ』と力みすぎている」とした。2021〜23年の大谷(当時エンゼルス)は、RISPでいずれもア・リーグトップのOPS1・153、長打率・689をマークしている。

 一方、同局のハーシュハイザー解説者は「自分で『やることリスト』を作り、それを遂行しようとしているのだと思う。『新天地で本塁打』は達成した。次は『シーズン打点』なのだろう。『少なくとも100打点は稼がなきゃ』と、少し力んでいる。打率も走塁スピードも何も問題ないのにね」と分析。

 すると、ヘアストン解説者は「100打点はその通りだと思う。それに加え、『俺がやらなきゃ』という思いにとらわれすぎている。これはエンゼルス時代に同僚らが故障していたり、後ろの打者が弱いせいで、自分がチームを引っ張らなければならない存在だったからだ」。さらに「だが、ドジャースには大谷の後ろにフリーマンとスミスがいる。常に自分がやらなければいけないチームじゃない。一歩下がって落ち着けば、相手投手は後ろの打者のこともあり、打てる球をちゃんと投げてくるよ」とアドバイスを送った。(写真はAP)