東京ドームで5月6日に行われるWBOバンタム級タイトル戦で同級5位・武居由樹(27)=大橋=の挑戦を受ける同級王者ジェーソン・モロニー(33)=豪州=が30日、東京都内で練習を公開した。軽いシャドーボクシング1ラウンドのみで手の内は見せなかったが、会見では「私がボクシングにささげてきた20年がカギになる」と話し、キックボクシングから転向後わずか3年で世界に挑む武居と、27勝(19KO)2敗で、プロだけでも10年という自分との差を強調した。

 「日本ボクシング史上最大のイベントに参加することができてとてもうれしい。日本という国も、そのボクシング文化もずっとリスペクトしていて、いつか試合をしたいと思っていた。過去最高のコンディションを作れた。武居は(8戦全勝全KOで)爆発力もスピードもある。集中力を切らさず、目をそらさずに戦い続けなければ」

 2020年10月には米ラスベガスで現世界4団体統一スーパーバンタム級王者の井上尚弥(大橋)と対戦し、7回KOで敗れたものの最後まで食い下がった。「とても価値のある、成長の機会となった試合だった」と、モロニー。5・6メインイベントでネリ(メキシコ)を迎えるかつての対戦相手にも「がんばってほしいと思います」とエールを送った。

 公開練習は大橋ジム陣営も視察。武居を担当する元世界3階級制覇王者の八重樫東トレーナーは「なめられている感じもしないし、真摯(しんし)な選手。ちゃんと向き合ってやっつけたい。世界戦は引き算だと思う。積み上げるより削ることをやってきた。1本のとがったものを作ってきたので、それをぶつける感じです」と、一点突破で王者を攻略すると話していた。