◇3日 J1リーグ第11節 町田2―0柏(町田Gスタジアム)

 町田が柏を振り切り、再び首位に浮上した。

 意表を突いたプレーだった。前半9分、敵陣右サイドのスローイン。町田の代名詞といえばロングスローだが、鈴木はクイックなスローインをニアサイドに投げ入れた。受けた荒木がグラウンダーのクロス。これをオ・セフンがダイレクトで流し込み先制した。

 さらに後半24分、荒木がヘディングで押し込んで駄目押し。今季初先発で初ゴールの荒木は「僕は頭で押し込んだだけ。仲間に感謝です」と謙遜したが、アシスト、前線からのプレスでも存在感を示した。

 前節は磐田に0―2で完敗したが、この日の勝利で再び首位浮上。後半35分には昨年8月に左ひざを大けがし、全治8か月と診断されたエリキが途中出場。パリ五輪切符をつかんだU―23日本代表に招集されている平河と藤尾ももうすぐ戦列に復帰する。

 黒田監督は「町田対策をしてくるチームが増えてきた中で、前線からの守備がすごく機能していた。荒木も躍動していたし、相手の嫌なスペースでプレーしてくれた。これが町田の勝利の方程式」とした上で「やっと町田のメンバーでできる。より競争が激しくなる」ときっぱり。ゼルビア旋風はまだまだ続きそうだ。