◇3日 MLB ドジャース4−3ブレーブス(ドジャースタジアム)

 ドジャースの大谷翔平がほえた。1点を追う延長10回1死二塁で、同点となる値千金の中前適時打。一塁塁上で両手を挙げ、移籍後初の「カモーン」の雄たけび。昨年のWBC準決勝のメキシコ戦を想起させる「ショータイム」で、ベンチを盛り上げた。

 貴重な一打の相手はエンゼルス時代の同僚で仲が良かったイグレシアス。「大谷のために」と「TEAM JAPAN」とロゴの入ったTシャツを着て練習をしたこともあった。試合が終わった後は日本語で「さよなら」と言い合う関係だった。その右腕に4球連続のチェンジアップ攻めを受けた大谷だが、最後は外に逃げるチェンジアップを片手1本で食らいついて中前に落とした。この試合前まで得点圏打率は38打数7安打、打率1割8分4厘と苦しんでいた。しかし、「ここぞ」でチームを救う一打にファンは総立ちとなった。

 相手はメジャー最高勝率を誇り、「プレーオフの前哨戦」とも言える強豪ブレーブス。大谷の闘志はみなぎっていた。1点を追う3回は四球で出た後、今季6個目の盗塁で好機を演出し、スミスの同点打につなげた。ユニホームのズボンのお尻付近が破れる激走だった。8回も四球から今季初の複数盗塁。まだ5月だが、ヒリヒリする戦いに集中力は高まった。

 大谷の値千金同点打で勢いが出たチームは延長11回、新人パヘスの適時打で今季初のサヨナラ勝ち。ベンチから飛び出した大谷は、山本とハイタッチをして歓喜の輪に加わった。ロバーツ監督は大谷について「大きな一打だった。彼の感情がむき出しだったね。満員で埋まったブレーブスとの試合でひるまず、やってくれた」と絶賛した。