◇7日(日本時間8日)MLB カブス3―2パドレス(シカゴ)

 カブスの今永昇太投手(30)は地元のパドレス戦に先発。メジャー自己最多の102球を投げ、8奪三振など7回3分の0を7安打2失点、1四球と好投したが勝敗は付かず、自身6連勝はならなかった。

 大リーグ公式データサイトのベースボールサバントによれば、今永の直球の「ランバリュー(カウントと走者の状況に応じた球種の失点リスク)9」は、グラスノー(ドジャース)の直球と並ぶメジャー全体のトップ。以下はペピオット(レイズ)の直球、ハビアー(カブス)のシンカー、バーンズ(オリオールズ)のカットボール、ハンター(レッズ)の直球が、いずれもランバリュー「8」とされる。

 特筆すべきは、今永の直球の平均球速92・1マイル(約148キロ)はメジャー平均の94マイル(約151キロ)をかなり下回ることだ。前述した各投手の直球の平均球速は、グラスノー155キロ、ペピオット152キロ、ハンター158キロといずれもメジャー平均より速い。

 地元中継局マーキーSNのジョー・ジラルディ解説者は「今永は伸びがある直球でどれほどのランバリューを稼いでいることか」。ヤンキース監督時代に松井秀喜さんやイチローさんを指揮した同解説者は、今永が5回に金河成(キム・ハソン)から148キロの直球で空振り三振に取った際は「ほら、キムはボールを下を振っているだろう。打者が思っているより直球が伸びている証拠だ。打者はいつも今永の直球に対してボールの下を振っている。そして、それを92マイルでやっていることが本当にすごいんだ」と称賛した。

 同局によれば、今永の「直球が平均より浮き上がる幅3・4インチ(約8・6センチ)」は、メジャー全体でも3位。これを上回るのはベシア(ドジャース)の4・1インチ(約10・4センチ)と、クロフォード(レッドソックス)の3・6インチ(約9・1センチ)だけとなっている。(写真はAP)