◇7日(日本時間8日)MLB ドジャース8―2マーリンズ(ロサンゼルス)

 「精密機械」のようにドジャースの山本由伸投手はストライクゾーンに投げ続けた。1回にいきなり先頭打者アーチを打たれても、慌てることはなかった。「少ない球数で長く投げられるのは1番理想的」。終わってみれば、メジャー移籍後最長の8回を投げ、2失点で4連勝となる4勝目を挙げた。

 試合開始から19球連続ストライク。MLBが投手のデータ収集を始めた2000年以来、ドジャースでは初めてのケースだった。早打ちしてくるマーリンズ打線の積極性を利用しながら、凡打の山を築いた。自己ワーストに並ぶ1試合2被弾したが、いずれもソロ。97球を投げてストライク率は75%で、「自分の投球ができているのは自信になる」と力を込めた。

 登板を重ねるごとに投球の幅が広がり、日本で活躍していた時のような余裕が出てきた。前回のダイヤモンドバックス戦ではスライダーを解禁。この日はメジャーで初めてツーシームを投げた。真っすぐ、スプリット、カーブが基本軸だが、カットとツーシーム、スライダーを少し混ぜることで打者を迷わせ、的を絞らせなかった。

 本拠地では初勝利。ドジャースファンの前で、投手史上最高額の3億2500万ドル(約463億円)で入団した「背番号18」が躍動する姿を見せた。「本拠地初勝利をしていなかったのですごくうれしい。長いイニング投げられたのでそこが1番よかった」。疲労がたまる救援陣を休ませることができた。初完投はお預けとなったが、ロバーツ監督は「ファンタスティック」と最上級の賛辞を贈った。