◇8日 中日1―4巨人(バンテリン)

 中日の打線の反撃は遅く9回に1点返したが、1―4で敗れた。

 一瞬、時が止まったようだった。試合開始直後の1回1死一塁。巨人・吉川の放った打球は三遊間へ。追いつけば併殺打かと思われたその時、遊撃手・村松開人がわずかに二塁方向へ体を傾けた。慌てて両足が地面に着いた状態からダイビングキャッチを試みるも、追いつけず。打球は三遊間を抜け、左前打となった。

 「ボールのコースとバットの出方がかぶって、打球が見えませんでした」

 その後、小笠原が岡本和に四球を与えて1死満塁に。続く坂本の犠飛で先制点を献上した。今季は主に遊撃を守り、いまだ無失策の村松だったが、記録に残らないミス。「きょうは僕のせいで負けた。ああいう打球にも反応できないと1軍ではやれない」と唇をかんだ。

 それでも、バットで魅せた。まずは5回の第2打席。1死一塁から先発・堀田の初球の変化球を右前にはじき返し、チャンスを拡大した。続く7回には変則左腕・大江の外角スライダーをうまくバットに乗せ中前へ。3試合ぶり、今季7度目のマルチ安打を記録した。

 規定打席未到達ながら打率は3割9分。球団記録タイとなる8打席連続安打を放つなど、打撃でチームに大きく貢献しているが、遊撃手としての守備で求められるものも大きい。