大リーグ公式サイトは16日(日本時間17日)、データ収集システムのスタットキャストが新たに導入した「バット・トラッキングデータ」を特集。ドジャース・大谷翔平のスイングを徹底解析した。

 今回導入されたデータの目玉は「バットスピード」。文字通りスイングスピードだが、大谷の現時点での平均バットスピード75・4マイル(約121・3キロ)はメジャー全体で18位だった。また、同75マイル(約121キロ)以上のものを「ファストスイング(FS)」と規定する。

 一方、バットスピードと投球速度の組み合わせから算出された「最速打球速度の期待値」に対し、その80%以上をたたき出したスイングを「スクエアド・アップ(SU)」と呼ぶ。たとえば、4月9日にレッズのデラクルスが放った今季1号は、バットスピード124キロに対し、投球速度は151キロ。ここから算出される最速打球速度の期待値185キロに対し、実際の打球速度はその98%の181キロだったため、これは「SU」を悠々クリアしている。

 すなわち、「SU」はいわゆるジャストミートと言える。ちなみに、大谷のSU率30・5%はメジャー全体で44位。

 さらに、FSかつSUの打球、つまり速いスイングでジャストミートした打球を「ブラスト」と称する。大谷の今季ブラスト52本は、メジャー全体で3位。だが、16日終了時点で「ブラストがバレルになる確率」59・6%(52本中31本)は断トツのメジャートップで、同サイトによれば50%超は大谷しかいない。

 バレルの規定は「80%以上の確率で長打が見込まれる打球初速98マイル(約158キロ)以上と、射出角度25度前後の組み合わせ」だ。

 ということは、大谷は「速いスイングでジャストミートした打球を長打につなげる」という点で、突出した世界一の存在ということになる。