◇17日 大相撲夏場所6日目(東京・両国国技館)

 新小結の大の里(23)=二所ノ関=は大関琴桜との「1敗対決」を寄り切りで制し、4連勝とした。初日から6連勝の宇良を追う。

 大の里が得意の右をサッとねじ込む。それだけで琴桜の動きを封じ込めてしまった。

 あとは体を生かしてじっくりと前進。危なげなし。「出稽古に行かせてもらったので、やるべきことを考えてきていました」。場所前に師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)に直訴して佐渡ケ嶽部屋へ出稽古。過去2度の挑戦をはね返されている琴桜へ、恩返しの白星で1敗を堅守した。

 これで1横綱、2大関を撃破。残る豊昇龍に勝てば2001年5月場所の朝青龍以来となる、新三役で横綱・大関から4勝を挙げることに。

 宇良が単独トップにいるものの、三役以上で1敗は大の里ただひとりとなり、ちょんまげながら優勝争いでも上位陣をけん引する。

 新三役での優勝となれば、1957年5月場所の安念山以来、昭和以降で67年ぶり2人目の快挙だ。

 本人は「いやいや、まだまだ。前半戦ですし考えてない。一日一番集中して頑張ります」と、まったく意識はしていないが夢は広がる。

 二所ノ関部屋付きとして指導する中村親方(元関脇嘉風)は「10日目まで8勝2敗でも優勝だと思う。今年、最低1回、2回、優勝するんじゃないですか」。そう太鼓判を押した。