ボクシングのWBAライト級タイトル戦が15日、米ラスベガスのMGMグランドで行われ、王者ジャーボンテイ・デービス(29)が挑戦者フランク・マーティン(29)=ともに米国=を8回1分29秒KOで退け30勝(28KO)とした。序盤は主導権を握られる場面もあったが4回からはリングを支配。最後はコーナーに詰めての猛攻から左アッパーを突き刺し、挑戦者が棒立ちになったところで強烈な左でとどめを刺した。

 マーティンがあおむけに倒れると、デービスはカウント終了を待たずコーナーポストに駆け上がって勝利を確信したダンス。カウント10が告げられるとバク転を決めてボクシングの聖地MGMグランドを埋めたファンを熱狂させた。

 「出だしは少し出遅れたが、試合が進むにつれて自分の感覚を取り戻した。相手が動き回るのはわかっていたので、しばらくターゲットになってやった。そうすれば、こういう戦いになるのがわかっていた。最後は左アッパーが効いたね」と、世界3階級制覇王者でもあるデービスはリングで満面の笑みを浮かべた。

 驚異的なKO率から「タンク(戦車)」の異名を取りパウンド・フォー・パウンド(全階級最強)ランキングでも米専門メディア・リング(電子版)でも8位に入る屈指のスター。昨年4月にはSNSでも人気を集めるWBCライト級暫定王者ガルシア(米国)とメガマッチを行い7回KOで完勝した。そこから14カ月のブランクを作ったが、今回ここまで18戦全勝(12KO)のマーティンに圧勝して健在を印象づけた。試合は17日午後7時半からWOWOWライブで放送される。(写真はAP)