ひがし茶屋街から車で5分ほど走った金沢市神宮寺の住宅街。長年地元で愛されてきた店を2022年春に全面改装し、町に彩りを与えているのが「ASIAGOHAN to OHAGI ZEN(アジアゴハントオハギ ゼン)」です。

長年地元で愛されてきた店がモダンに改装

約25年前に店主・真田貴史さんのご両親が始めた飲食とおはぎのお店。それを受け継ぎ、現在では真田さんが海外を訪れて興味を持った創作エスニック料理と、多種多様な味わいを堪能できるおはぎを提供しています。

改装を経て、ブルーグレーを基調としたモダンな印象に早変わり。メディアでの紹介をきっかけにおはぎ人気に火が付いたこともあり、おはぎの工房スペースを広げました。

近年本格的なエスニック料理の店は増えていますが、同店のエスニック料理は子どもから高齢の方まで幅広い世代の日本人の口に合うようアレンジされています。実際、客層は様々で、子連れのママ会やご近所のご年配のお客様が訪れることも多いとか。

春巻きや有機野菜のサラダがのった前菜プレートとデザート・ドリンクが付いた選べるランチセットは大人気。基本的におはぎはテイクアウト限定ですが、このセットのデザートとしてのみ店内で味わうことができるそうです。

一番人気の「ガパオライス」は、優しい味わいの中にホーリーバジルが香る一品。タイのジャスミン米や地元の米、黒米などをブレンドしたごはんと合わせていただきます。辛みの好きな方は自家製ラー油をかけるのもおすすめです。酢やナンプラーなど卓上調味料も充実しているので、好みに合わせてアレンジも楽しんで。

調味料のいくつかは店内の物販コーナーでも購入可能。調味料の他に、オリジナルの冷凍食品なども販売しており、ちょっとした手土産としても喜ばれそうです。

リニューアルを機に、「今まで以上にスタッフ間のコミュニケーションを大事にしている」と話すのは、おはぎを担当する奥様の彬乃さん。その一環として若いスタッフのアイデアを交えた商品開発も盛んに行われているので、訪れる度に新たな商品が増えていることも。店内メニューはもちろん、テイクアウト商品もぜひチェックしてみてください。

身体にも心にもやさしいおはぎと、この店の想い

先代の頃から様々な味に挑戦していたというおはぎ。まんまるで小ぶりなフォルムが特徴的です。

愛らしい見た目だけでなく、素材選びにも注力しています。化学調味料を使わず、身体に負担のない食材をチョイスしているそうです。また、できる限り地元の食材を使いたいと、全てのおはぎに使用されているもち米は県内産の無農薬無化学有機栽培の「カグラモチ」を採用。甘みは食材の甘さを最大限引き出したのち、甜菜糖で味わいを調整しています。

アジアご飯とおはぎという意外な組み合わせの食を提供している同店ですが、店舗の運営や食を届けるということにおいて、とてもクリアで真っすぐな理念を持たれています。

飲食業の課題である働きやすい環境を整えたいという強い思いがある真田ご夫妻。店舗の効率化やシステム構築など様々な取り組みの効果はスタッフの活気にも表れているようで、明るい店舗の空気感を支えています。客側としても心地よく、またすぐにでも訪れたくなる雰囲気が魅力的です。

商品においても、時に食材の生産現場へ出向き自分の目で見ることや、生産者へのリスペクトを込めた商品製造を大切にしているそうで、そういった意識の安心感は幅広い層に受け入れられる要因の一つなのかもしれません。

全国から問い合わせがある人気店ながら、金沢の片隅で実直な営みを続ける「ASIAGOHAN to OHAGI ZEN」。中心地から少し足をのばして、おなかも心も満たされるエスニックランチとおはぎを楽しんでみませんか。