秩父の市街地で、国の登録有形文化財に登録されている木造建築が立ち並ぶ黒門通りに、グリーンのドアがひと際目を引く「泰山堂カフェ」があります。古民家をリノベーションしたカフェの店内は洗練された空間。オーナーの娘さんが作る人気のヌガーグラッセや、店自慢のドリンクが楽しめます。

築100年ほどの長屋で祖父が営む印章店の名を引き継ぐ

黒門通りに立つ築100年ほどの長屋には、カフェと印章店が並びます。祖父の代からこの地で印章店を営んでいるといい、現在の泰山堂カフェはかつては別の店だった場所。そのスペースが空いた時に祖父から譲り受け、現在のオーナーが2008年にカフェを開業。「泰山堂」という名前は、印章店の名称を引き継いだものだそうです。

ステンドグラスがやわらかな雰囲気

グリーンのドアを開けて店内に入ると、カウンターとテーブル合わせて13席ほどの心地よい空間が広がります。入り口横にはレトロ調のステンドグラスがはめ込まれ、光を通して温かな雰囲気に。壁面の棚には、オーナーの母親が集めていたというロイヤルコペンハーゲンのカップが上品に並び、紅茶やコーヒーはこのカップを使って淹れてもらうことができます。素敵なカップで飲むコーヒーや紅茶は、また格別な味わいです。

ふんわり滑らかな新しい食感のヌガーグラッセ

この店の看板メニューでもあるヌガーグラッセは、洋菓子の本場リヨンで修業を積んだオーナーの娘さんが、手作りをしています。生クリームとメレンゲをベースにして、蜂蜜で甘みをプラス。ほどよい甘みに、酸味の効いたドライフルーツやナッツの香ばしさがあいまって、洗練されたスイーツに仕上がっています。やわらかくふんわりした食感も、おいしさを引き立てるエッセンスのよう。

魅力あるスイーツが揃い、あれこれ迷ってしまいそう

そのほかにも魅力的なスイーツが揃います。濃厚チョコレートケーキは、ビターな味わいと生チョコのようなしっとりした食感に、コクと味わい深さを感じます。そのほかにも、定番スイーツは5種類ほどあり、抹茶とホワイトチョコのケーキ(550円)、フルーツベークドチーズ(550円)、くるみのタルト(650円)など、どれも食べてみたくなるものばかり。ケーキの注文は、ドリンクとセットの場合に限るので、おいしいドリンクと一緒にゆったり味わって。

手間のかかった泰山堂特製ジンジャソーダも味わって

ドリンクも、他店とは少し異なるラインナップが魅力です。おすすめの泰山堂特製ジンジャソーダは、シナモン、クローブ、カルダモン、ジンジャーなど、さまざまなスパイスを店独自の配合で作ったオリジナルドリンク。スパイス好きにはたまらない逸品です。コーヒーは、ハチドリのひとしずくというコーヒー豆を使ったもの。ブラジル産のシングルオリジンで、酸味や苦みが少なく、すっきりとしたバランスの取れたオーガニックコーヒーです。マリアージュフルールを中心に30種類ほどあるという紅茶は、豊富なタイプが揃えられ、相談すれば、その日の気分にあった紅茶をセレクトしてくれます。

秩父の散策途中で、ほっと落ち着けるひとときを過ごしてみては。