付き合いたてのカップルのような二人

 4月17日、ドラッグストア業界のトップを走る「ウエルシア」の松本忠久社長が突如辞任を発表。ウエルシアHD(ホールディングス)はその理由について「私生活において不適切な行為があり当社の信用を傷つけるものと判断した」としている。この「不適切な行為」とは、実は松本氏の不倫。「週刊新潮」が不倫の証拠をつかみ、松本氏やウエルシアに取材した結果の辞任だった。

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 前編では、松本氏と不倫相手の関係や、相手女性の素性について報じたが、週刊新潮はさらに二人のデートの模様をキャッチしていた。

 関東地方の寒さがようやく和らいだ3月30日。

 朝7時前、松本氏の愛車であるベンツが“社宅”(松本氏のためにウエルシアが賃料の一部を負担した、ウエルシアHD本社近くのマンション)を出発した。助手席に乗っているところからみて、女性は前の晩から泊まっていたのだろう。ベンツは房総方面へとひた走り、外房まで来ると道の駅で小休止。

 その後、近くの海浜公園をしばらく散策した後、二人は農園に行き、イチゴ狩りを楽しんだ。

 その道中の様子はまるで付き合い始めのカップルのようで、女性は松本氏と腕を組んだり、後ろからハグをしたり、あるいは靴ひもを結んであげたり。かと思えば、何の変哲もない道で突然、松本氏がスキップを始める。親子ほども年の離れた女性とのデートが、よほどうれしかったのだろうか。

お互いのケーキを「ア〜ン」する場面も

 農園を出たベンツは一路、犬吠埼へと向かい、展望台下のカフェへ。太平洋の大海原を一望する店では、互いのケーキを「ア〜ン」と食べあいっこするシーンも。そして海を眺めたり、岩場を歩いたりした後、再びベンツは走り出し、14時過ぎには近くの高級リゾートホテルへと入っていったのである。そのホテルの説明にはこうある。「全室オーシャンビューの露天風呂がついた部屋からは、灯台と月と星を楽しめます」――。

「松本さんは普段は都内の“社宅”に住んでいますが、時折、奥さんのいる家にも帰っています」

 とは、さる事情通。

「昨年のクリスマスの時期は夜、女性とホテルのステーキ店で夕食を楽しみ、その後、社宅で1泊。翌朝社宅を出てベンツで女性を自宅へ送り、その足で奥さ
んの待つ家に帰っています」

 二重生活を営んでいたようだが、一方の女性は、

「松本さん以外にも“男”がいたようで、かなりの金額を貢がせていました」

「私に聞かないでください。これから個人的な用事、あるだから」

 では、当事者たちは何と言うか。

 4月14日の日曜日も、二人は一緒にいた。件のベンツは女性が住むマンションに駐車。15時過ぎ、二人は駐車場に出て、バイバイと手を振りながら別れ、松本氏はベンツを発進、女性は徒歩で表に出る。まずは女性に声をかけてみた。彼女の名を仮にA、勤務先をB社とすると、

――すみません、Aさんですよね。

「はい」

――B社にお勤めでお間違いないでしょうか。

「そうですね」

――ウエルシアHDの松本さんとさっきまで一緒におられたと思うのですが。

「あーこれどういう意味ですか。分からない」

――松本さんと不倫関係ではないですか。ゴルフや旅行に行っていませんか。

「ん? それどこにもらいました情報ですか」

 歩みを止めずに答えるが、やはり片言で聞きづらい。

――松本さんとお付き合いしている?

「違う、これどういう意味ですか」

――松本さんは奥さんいらっしゃいますよね。

「関係ない」

 そして携帯でどこかに電話をかけ、まくし立てるように中国語で話していた。

――松本さんとはどうやって知り合ったんですか。

「分かりません」

――松本さん以外にもお付き合いをしている方はいますか。

「私に聞かないでください。これから個人的な用事、あるだから」

 と、目の前にタクシー乗り場が。すると彼女は行列に割り込み、唖然とする周囲を尻目に、そのまま車に乗って走り去ってしまった――。

「今は欲望が無くなって。何もないんです」

 一方の松本氏のベンツは女性のマンションを出た後、都内の“社宅”へとまっすぐ向かっていった。マンションに着き、車を降りたところで「松本さん」と声をかけると「はい」と足を止める。取材の趣旨を述べたところ、はじめは「彼女は友人です」と否定していたものの、千葉での「ア〜ン」写真を見せると、

「すごいですね。何でだろうな。こんなふうにならないように気を付けてはいたんだけど。うそ言ってもしょうがないですね……」

 と述べ、諦めたかのように不倫を認めたのである。

――Aさんとはいつからのお付き合いですか。

「7年くらい前ですかね。僕がシンガポールで社長を務めていた時、中国人の友人に紹介してもらいました」

 その中国人というのがB社の関係者だという。彼も現在日本におり、3月17日の日曜日に男女2名ずつでゴルフを回ったうちの一人がその男性だとのことだ。

「その頃は、彼女は今とは別の仕事をしていました。家庭に恵まれない子で相談に乗っている間に関係ができてしまって……。その後、私は日本に帰ったんですが、彼女も日本で勉強したいと言って、さっきの中国人の方の紹介でB社の関連先会社に入ったんです。で、また付き合いが始まりました。会うのは月に2回くらいかな。食事をして、いろいろ相談をして。仕事に詰まってくるとそうなりますよね。犬吠埼に行ったのも、海が見たかったんです。統合のことで最近、ストレスがたまっていたので。妻? もちろん知らないでしょう。正直、夫婦関係は冷え切っています。海外赴任した時から忙しくてあまり家には帰っていませんし。ただ、女房であることは変わりないですからね。それと、信じてもらえないかもしれませんが、シンガポール時代は確かに彼女とそういう関係はありましたけど、今は欲望が無くなって。泊まることは泊まりますが、何もないんです。誰も信じてくれないと思いますが」

「ずっと罪悪感がありました」

――取引などでB社に便宜を図ったことはないですか。

「それは絶対にないです。B社の商品をうちが取り扱っているのは知っていますが、僕はそこにはノータッチだから。交際のお金? それは僕が支払っていますよ。そこはプライベートで、完全に線を引いてやっていましたから。ただ、会社で借りていただいている部屋に彼女を泊めるというのは、ずっと罪悪感がありました。抵抗感はあったんですけど、段々と回を重ねていくと、やっぱり……ダメですね」

 さらにこう言う。

「自分の中ではどこにも迷惑をかけずにやっていたつもりでした。でもやっぱりいけないことだった。バレないだろうとは思っていたんですが、人間、慣れていくと甘くなってしまいますよね。善管注意義務違反ですね。身を退かざるを得ないと思います。自分は仕方ないですが、ウエルシアのブランドや何万という店員に傷を付けてしまう。それが辛いです……」

 前編では、不倫相手の女性の素性について報じている。

「週刊新潮」2024年4月25日号 掲載