産業機器メーカー「荏原(えばら)製作所」の創業者・畠山一清(はたけやまいっせい、号・即翁〈そくおう〉)が設立した畠山記念館(東京都港区)の所蔵品から、松江藩主・松平不昧(ふまい)ゆかりの品などを紹介する企画展「畠山記念館名品展 松平不昧ゆかりの逸品と琳派(りんぱ)」が、島根県立美術館(松江市袖師町)で開かれている。

 県立美術館によると、即翁は事業を営む傍ら、茶道具の名品の収集に熱意を傾けた。コレクションは国宝6件、重要文化財33件を含む約1300件に及ぶという。今回の展示では、国宝や重要文化財を含む約70件を紹介している。

 即翁は、大名茶人として知られる松江藩松平家7代藩主の松平不昧への敬慕から、不昧ゆかりの茶道具を数多く収集。かつて豊臣秀吉が所持し、後に手にした不昧が天下の宝物として格別の扱いをした「唐物(からもの)肩衝(かたつき)茶入(ちゃいれ) 銘 油屋」(重要文化財)はその代表だ。

 また、畠山記念館は優れた琳派の作品を多く所蔵しており、その一部も展示している。

 6月10日まで。企画展の観覧料は一般1300円、大学生1千円、小中高生500円。火曜休館。問い合わせは同館(0852・55・4700)へ。(大村治郎)