「表の玄関ではなく裏手のガレージから…」

 ドジャース・大谷翔平選手(29)の元通訳・水原一平容疑者(39)による違法賭博騒動によって、アメリカに住む両親は人目を避けて生活せざるを得ない状況に追い込まれているという。本人もまた、司法取引に応じたとしても長期の禁錮刑は免れないといい……。

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 ロサンゼルス郊外の和食居酒屋で板前を務める、水原容疑者の父親の英政さん(64)は、一連の騒動が発覚して以降、出勤がかなわなくなっているという。

「彼が30年以上住む自宅は、車で30分ほどの距離にあります。玄関には、最近取り付けたとみられる監視カメラが目を光らせていますが、一日中ひっそりと静まり返って夜も電気がともりません。近隣ではもっぱら『もう引っ越したのではないか』と言われていました」(近くの住民)

 それでも、

「先日、ご夫婦で歩いている姿を見かけたのですが、表の玄関ではなく裏手のガレージのシャッターを開けて家に入っていきました」

長期の禁錮刑となる可能性

 カリフォルニア州弁護士の資格を持つ東町法律事務所の村尾卓哉弁護士が言う。

「水原容疑者が問われている連邦法の銀行詐欺罪は、禁錮30年以下または100万ドル以下の罰金が科せられます。もし司法取引をして、次回の罪状認否で罪を認めるのであれば、裁判所は陪審員裁判をせず量刑判断に入ります。交渉次第で司法取引の内容は変わってきますから、ここは弁護士の腕の見せどころでしょう」

 実際のところはといえば、

「連邦法に基づく禁錮刑は、法令と連邦の量刑ガイドラインによってコントロールされています」

 元連邦検察官でカリフォルニア州弁護士のジョン・カービー氏は、そう前置きしながら、

「司法取引で有罪を受け入れた場合、今回のように1600万ドルの損失だと、その幅は禁錮51〜63カ月となりますが、当局がコンピュータ―使用など手口の巧妙さなどを理由に量刑を増やすよう主張すれば、これが78〜97カ月になります」

 さらに続けて、

「被害額が1万ドルを超す銀行詐欺は、米国の法律では『加重的重罪』に該当します。イッペイ氏が米国の市民権を持っていなければ、有罪判決を受けた場合は(刑の終了後に)国外退去処分の対象となるでしょう」

 つまり最もあり得るシナリオは、4〜8年ほどにわたって服役した後、怒れる大谷ファンが国中にいる日本に帰国、ということになるのだ。その時点で、アメリカよりも日本での彼の知名度が高いのは間違いなく、居心地の悪さは想像を絶するところだが――4月18日発売の「週刊新潮」では、精神科医の分析なども交えて、この問題について詳報する。

「週刊新潮」2024年4月25日号 掲載