「黄砂」の時期は特に自動車オーナーの頭を悩ませるのが洗車費用で、中型車なら5000円ほどから1万2500円までかかるため、「自分で洗車して節約をしたい」人も少なくないだろう。黄砂のついた車をガソリンスタンドで洗車する場合と、自分で洗車する場合のコストと注意点を挙げてみた(文中価格は税込み)。

■SSの手洗いサービスで洗車……コーティングまですると費用は1万円超え

黄砂は、中国の砂漠地域の砂やちりが偏西風によって運ばれてきたものをいうが、黄砂がついた車を洗車機で洗うと傷がついてしまう可能性があるため、洗車は手洗いがいいとされる。

チェーン展開しているガソリンスタンドで、店舗数が多い上位3店のENEOS(ENEOSホールディングス <5020> )、apollostation(出光興産 <5019> )、コスモ石油(コスモエネルギーホールディングス <5021> )は、いずれも洗車・コーティングの規格である「KeePer」を取り入れており、手洗い洗車サービスの内容、料金ともほぼ同じだ。

KeePer規格の手洗い洗車では水シミや水垢が残らない純水を使っており、料金は軽自動車のSSサイズで3720円、小型車のSサイズが4080円、中型車であるMサイズは4640円、大型車のLサイズが5150円となっている。

洗車した車を黄砂から守るにはカーコーティングが効果的だが、KeePerのコーティングで一番安い「ピュアキーパー」の料金はSSサイズ(軽自動車など)が6690円、Sサイズ(小型車)7210円、Mサイズ(中型車)が7940円、Lサイズ(大型車)だと8560円だ。

洗車とコーティングを合わせた料金はSSサイズ1万410円、Sサイズ1万1290円、Mサイズ1万2580円、Lサイズ1万3710円となる。

ピュアキーパーのコーティング耐久期間は3ヵ月だが、さらにグレードの高い「クリスタルキーパー」だと1年間持つという。

料金はSSで1万7400円、Sが1万9500円、M2万1800円、Lは2万3900円とかなり上がるが、これで洗車が楽になるならやってみる価値はあるかもしれない。

なおSS(軽自動車など)の料金は店によって違う場合があるので、利用する際には予め確かめたほうがいいだろう。

■黄砂のついた車を自分で洗車……費用実質5000円

自分で洗車をすれば費用をあまりかけずにきれいにできるが、車体に傷をつけないためにも、道具にはこだわったほうがいい。

まず車についた黄砂は水の力で流し落とすのが効果的で、そのため高圧洗浄機は必需品といえるだろう。

黄砂を水圧で流したら次はカーシャンプーで洗うが、このときも濃縮タイプのシャンプーを使えば表面に加わる摩擦を減らせるのでボディに傷がつきにくい。

洗い終わった泡を水で流したら残った水滴をクロスで吹き上げるが、吸収力が高いマイクロファイバークロスなら何度も擦らずに拭き取れる。

最後に市販のコーティング剤でボディをコーティングすれば黄砂が付きにくくなる。

ここまでの費用を算出すると、高圧洗浄機がおよそ2万5000円、濃縮シャンプーは700円ほど、洗車スポンジ約800円、マイクロファイバークロスは500円、コーティング剤が3500円となり合計3万円ほどになる。

このうち高圧洗浄機は洗車以外にも使えるし、ほかに電気代や水道代もかかるが、直接的な費用は実質5500円ほどとみていいだろう。

■自分で洗車するときの注意点

自分で洗うときにやってはならないのが、黄砂を水で“落とす前に”洗い始めることだ。

なぜなら、黄砂は固く、尖った形状をしているので、流し落とす前に車体を擦ってしまうと細かいスクラッチ傷がついてしまうからだ。洗車機を使うのも止めたほうがいいだろう。

黄砂がついたまま放置すると、汚れが蓄積したうえに固まってしまう可能性があるので、できるだけ早めに洗車をしたほうがいい。特に炎天下にさらしたままにしておくと車体にダメージを与える可能性があるので注意が必要だ。

また風の強い日は黄砂が浮遊していることが多く、拭き上げ時に傷がついてしまう恐れがあるので、こういった日の洗車は避けたほうがいいかもしれない。

黄砂の時期は3月〜5月といわれているが、実は飛散量の差こそあれ黄砂は1年中飛んできている。気象庁からは黄砂情報も出ているので、カーケアをするときはこうした情報にも注意したほうがいいだろう。

文/編集・dメニューマネー編集部