慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス

 中学受験の成功のカギを握るのが、志望校選びです。わが子が6年間過ごす学校ですから、入学後や将来まで見据えて慎重に選びたいもの。志望校選びにはさまざまな視点がありますが、大学合格実績はひとつの指標になります。『カンペキ中学受験2025』(朝日新聞出版)から、首都圏の中高一貫校のさまざまなランキングを紹介します。本稿では早稲田、慶應、MARCHなどの大学付属、系属校について、併設大学への合格状況と合格率に注目します。

■上位を早慶の付属・系属校が独占 難関大ほど高い内部合格率

 一言で付属校と言っても、ほぼ全員がエスカレーター式に大学に進学する学校と、そうでない学校がある。大学受験なしで進学できる学校はどこなのか。

 表の付属校の併設大学への内部合格率(内部合格者数÷卒業生数×100)を見ていこう(表は2023年のデータ)。この合格率が高い学校ほど、中学に入学してから、エスカレーター式で大学進学していることになる。 

 トップは慶應義塾湘南藤沢(神奈川)で99.6%、2位は慶應義塾志木(埼玉)の98.7%、3位は慶應義塾(神奈川)の98.2%で、慶應大の付属3校がベスト3を占め、いずれも98%以上の高率だった。4位が早稲田大高等学院(東京)、5位が慶應義塾女子(東京)、6位が早稲田実業(東京)で、上位を早慶の付属、系属校が独占した。

 慶應の付属中学は慶應中等部、慶應普通部、慶應湘南藤沢の3校だ。学校によって制約はあるが、高校進学時に表中の4高校から進学先を選ぶ。7位は明治大付明治、8位は法政大第二で、ここまでが9割超えの合格率だ。

 難関大の付属、系属校ほど、併設大進学者が多い。6年後に自分が進学するかもしれない併設大の学部・学科の内容をよく調べてから、付属校を選んだほうがよいだろう。

※表中の「国」は国立、「私」は私立、「公」は公立。2023年のデータ。合格者数は現役と浪人を合わせた人数。同じ合格率での順位の違いは、四捨五入前の小数第2位以下の数字の違いによる。データ協力/大学通信
※表中の「国」は国立、「私」は私立、「公」は公立。2023年のデータ。合格者数は現役と浪人を合わせた人数。同じ合格率での順位の違いは、四捨五入前の小数第2位以下の数字の違いによる。データ協力/大学通信

■付属校戦略を強化する大学も

 少子化をふまえ、付属校戦略に力を入れる大学が増えている。新しく付属校を設置したり、高校と教育提携したりする大学が多くなっている。

 立教大は付属校の内部進学者枠を拡大する。立教女学院(東京)は、立教大への推薦枠が、24年度高3生から151人→201人に増員。香蘭女学校(東京)も、同じ年度から97人の推薦枠が160人に増員される。両校とも人数的には1学年がほぼ全入になる。立教大は女子の人気が高く、今後の難化が予想される。

※外部配信先で表がご覧いただけない場合は、AERA with Kids+をご覧ください

(文/大学通信・大野香代子)