八戸圏域山伏神楽再興委員会(畑中大河委員長)は29日、八戸市のデーリー東北ホールで、「照獅子(でりおん)神楽祭」を開催する。今年3月にデーリー東北新聞社の「第3回頑張るあなたを応援するデリオン賞」を受けたのを契機に企画し、八戸市と田子町から計三つの神楽団体が集結。神楽を「応援され、継承されていく」文化にするべく、それぞれの演目を披露する。

 委員会は2023年7月、鮫神楽連中、白銀四頭(しとう)権現、市川の市内3神楽で結成。鮫の畑中さんら若手神楽士が中心となり、担い手の確保や発表の場の創出などを目指している。山伏神楽の活性化への貢献などからデリオン賞が贈られた。

 照獅子神楽祭は、鮫、白銀に加えて、田子神楽が初めて委員会のイベントに参加。第3回デリオン賞を、同委員会と共に、田子町在住で特産のニンニクを国内外に発信する五十嵐孝直さん(39)も受けたことが縁でコラボが実現した。

 鮫は今回、台本しか残っていなかった「四天王大江山入」を復活させるべく稽古に励んでいる。平安時代を舞台に、武士・源頼光が渡辺綱や坂田金時ら四天王を率いて酒呑童子(しゅてんどうじ)を退治する物語で、総勢9人が出演する大がかりな演目だ。畑中さんは「80代の師匠も見たことがないという。出演人数も多いので、楽しみにしてほしい」と力を込める。

 当日の開演は午前10時半、午後2時の2回。入場料500円で、当日券のみ。小学生以下は入場無料。問い合わせは同委員会事務局=メールhachinohe.allkagura@gmail.com=へ。【全文】