ゴルフコースには、ラウンドに来た人が使用できる練習場が併設されていることが多いです。この練習場は、ラウンドせずに練習だけをすることは可能なのでしょうか。

ゴルフコースのメンバーであれば利用できることがある

 ゴルフコースにはクラブハウスの近くに練習場が併設されていることが多く、ラウンド前のウォーミングアップやプレー後の反省練習に利用できます。

ゴルフコースに併設された練習場は広くて気持ちが良い場所もある 写真:JGTOimages
ゴルフコースに併設された練習場は広くて気持ちが良い場所もある 写真:JGTOimages

 もし、自宅近くにゴルフコースがある場合、「プレーはしないけど、広い練習場でボールを打ちたい」と考える人もいるでしょう。実際はゴルフコースの練習場だけを利用することが可能なのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。

「ゴルフ場それぞれの運営スタイルによって変わってくるとは思いますが、メンバーシップ制度の強いコースでは会員特典の一種として、ラウンドを行わずに練習場の利用だけを許可しているケースがよくあります。ですので、そのゴルフ場のメンバーであれば、『前回プレーした時に少し不調だったのでおさらいをしたい』『新しいクラブを買ったから試し打ちをしたい』といった理由で気軽に立ち寄り、ついでに昼食を取って帰るといった過ごし方をする人もいるでしょう。メンバーならではのゴルフ場の楽しみ方の一つだと言えます」

 では、メンバーに入っていないコースでは、練習場のみを利用することができないのでしょうか。

「会員資格を持っていないビジターの場合は、練習場のみの利用を認めていないところがほとんどです。メンバー同伴であればビジターの練習場利用が可能なケースもありますが、ビジターとワイワイしながら練習をしていると、他の人から奇異な目で見られる可能性が高いです。周りに迷惑をかけないようにするためにも、エチケットやマナーとしてビジターを招き入れて利用するのは控えた方が良いでしょう」

 多くのゴルフコースでは、クラブハウスを通り抜けた先に練習場があります。外部から来た人が自由にクラブハウス内を行き来するとセキュリティ面が緩くなってしまうため、ビジターの練習場利用を受け入れていないコースが多いようです。

一般開放を行うゴルフコースもある

 ビジター利用に厳しいコースが多い一方で、飯島氏は、一部のゴルフ場では積極的にラウンドを行わない人にも練習場を提供していると話します。

「大型の練習場を併設したゴルフ場が見られますが、そういったところでは一般の人の利用も受けていることがあります。ラウンドをしに来た人は、チェックインからティーオフまでのわずかな時間しか練習場を利用せず、一度プレーを始めたらほぼ使われなくなります。設備の規模によっては、それだとコストと釣り合わなくなってしまうのです。そこで、せっかく大きな練習場を作ったのだから、ラウンド目的でない人も利用できるようにしようと、専用の受付カウンターなどを設置して、一般開放を行うゴルフ場も出ています」

 では、ゴルフコースの練習場のみを利用した際にかかる料金はどれくらいなのでしょう。飯島氏は以下のように話します。

「メンバー限定で練習場を開放しているゴルフ場では、無料で利用できるところもあります。一方で、一般開放を実施しているゴルフ場では、その地域にある他の練習場と比較して、おおよそ相場通りと考える価格に設定されますので、ゴルフ場の一部だからといって特段に高額というわけでもありません。アプローチ練習場や練習グリーンを利用できる場合は、『1日500円』といった値段設定がされていることもあります」

 いわゆる「打ちっぱなし」の練習場では、あえてボールが飛びにくい設計のレンジボールが使用されることがほとんどです。一方で、ゴルフコースの練習場ではコースボールを使っているケースもありますので、より実戦に近い感触を得ながら、練習できるのもメリットだと言えるでしょう。ゴルフコースだからこその本格的な設備がそろった環境で練習できれば、より効率的に上達できるかもしれません。

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