米国女子ツアーで出場5試合連続優勝を達成して、メジャー初戦のシェブロン選手権を制したネリー・コルダ。世界ランキング1位になっているのはもちろん、女子ゴルフ界では敵なしの無双状態。その快進撃は「10K」を使い始めたことが大きなキッカケでした。

「『Qi10 MAX』なら、どんなショットでも打てる気がする」

 2022年に左鎖骨下静脈に血栓が見つかり、長期欠場をしていたネリー・コルダ。同年11月のペリカン女子選手権で復活優勝を遂げるも、23年は優勝ゼロ。それが今年1月のドライブオン選手権で1年2カ月ぶりに優勝すると、そこから出場5試合連続優勝。メジャー初戦のシェブロン選手権でも4日連続の60台で優勝。女子ツアーでは無双状態が続いています。

ドライバーを「Qi10 MAX」に替えてから“無双状態”のネリー・コルダ 写真:GettyImages
ドライバーを「Qi10 MAX」に替えてから“無双状態”のネリー・コルダ 写真:GettyImages

 コルダが今季から使い始めたドライバーがテーラーメイドの「Qi10 MAX」です。米ツアーでも日本ツアーでも「Qi10 LS」や「Qi10」を使っている選手が多いですが、コルダは慣性モーメントが10000g・cm2の「Qi10 MAX」を使っています。最初のテストが行われたのは昨年6月。最初に打った数球で「Qi10 MAX」はコルダの求めていたヘッド性能を持っていることが確信できたそうです。担当したテーラーメイドのベテランツアー担当のライアン・レッサ氏は次のようにコメントしています。

「ネリー・コルダは以前からボールが少し右に飛び出して、左にドローしてくるドライバーを求めていました。『Qi10 MAX』は重心がやや深めでありながらヒール寄りになっています。それをすごく気に入っていました」

 ちなみにネリー・コルダは昨年の「ステルス2シリーズ」でも、エースドライバーは「ステルス2 HD」というドローバイアスの高弾道モデル。当時のテストでもレッサ氏は「彼女は自分の目線から1〜2ヤードくらい右に飛び出して、3〜5ヤードくらいドローしてフェアウェイに戻ってくる弾道を求めています」と語っていました。

 ヘッド性能を気に入ったコルダのテストは次の段階に移ります。約1カ月後にはコルダが使うシャフト「ディアマナGT 60S」に合わせて調整。さらにヘッドウエートを数グラム軽くして、低スピンにしつつドロー回転をかけやすいように改良。その後は2、3回のテストをしながら完璧なヘッドを見つけていったそうです。

 そして24年の開幕戦から「Qi10 MAX」を使い始めると、05年のアニカ・ソレンスタム以来のツアー5連勝を達成。米女子ツアーでは史上3人目の快挙です。コルダはドライバーについて、次のように語っています。

「『Qi10 MAX』を構えたら、どんなショットでも打てる気がします」

 全盛期のタイガー・ウッズやアニカ・ソレンスタムの強さを彷彿させるネリー・コルダの連勝はさらに続くのでしょうか。

2024 ネリー・コルダの最新セッティング

1W:テーラーメイド Qi10 MAX(ロフト/10.5度 シャフト/ミツビシ ディアマナGT60-S)3W:テーラーメイド ステルス2(ロフト/15度 シャフト/ベンタス レッド7-S)5W:テーラーメイド ステルス2(ロフト/21度 シャフト/ベンタス ブラック7-S)5U:ピン G425(シャフト/ベンタスHB)5I:テーラーメイド P770(シャフト/スチールファイバーi80)6I-PW:テーラーメイド P7MC(シャフト/スチールファイバーi80)AW、GW:テーラーメイド ミルドグラインド4(ロフト/50、54度)SW:ボーケイデザインウェッジ ワークス(ロフト/58度)パター:スコッティ・キャメロン スペシャルセレクト スクエアバック2

野中真一