「ボールを探すのに時間をかけ過ぎている」などスロープレーをしているゴルファーに遭遇したことがある人は多いかもしれません。では、どのように注意してあげるのが良いのでしょうか。

新しいルールを伝えながら指摘すると良い

 ゴルフ場は不特定多数の人が利用する「公共の場」であるため、ペースを守ったプレーが求められます。

打つまでに長い時間をかけてしまうゴルファーは多い 写真:AC
打つまでに長い時間をかけてしまうゴルファーは多い 写真:AC

 しかし、同伴者の中には深いラフに入ってしまったボールを探すのに必死になっていたり、パットのライン読みに時間をかけ過ぎていたり、さらには素振りやアドレスが長くていつまでたっても打とうとしない人も決して珍しくはないはずです。

 ゴルファーならプレ―ファストを心がけなければなりませんが、そのような行為が気になる同伴者にはどう指摘してあげるのが良いのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。

「まず、見失ったボール探しをなかなかやめない人については、ルールが変わったことを伝えながら注意すると良いでしょう。以前は、ロストボールと判断するまでの猶予は5分間でしたが、2019年のルール改正からは、3分間に変更されました。時間が短縮されたことを知らない人もいるので『今日からは新ルールで行きましょう』のように、やんわりと伝えれば『ルールが変わったのなら仕方がないね』と潔く諦めてもらえるかもしれません」

 パッティングのライン読みに時間をかけ過ぎている人には、以下のように伝えると良いといいます。

「本来であれば、『後ろの組が見える範囲まで近づいてきたので、ちょっとペースを上げましょう』と指摘するべきです。しかし、同伴者を名指しするかのような言い方では角が立ってしまう恐れがあるので『自分もペースを上げていくので、みんなで一緒に頑張りましょう』というように、全員にプレーファストを呼びかけると良いと思います」

 2019年以降の新ルールでは、必要に応じてカップからの距離に関わらず準備ができた人から順番に打つ「レディーゴルフ」や、パッティングをする際はピンを抜かなくても良いことなども定められました。

 これらは「努力義務」でしかないため強制はできませんが、進行が遅れてきたと感じたらこれらを取り入れるといいかもしれません。

優しく指摘するなどの工夫が重要

 素振りやアドレスに多く時間をかけている同伴者にはどのように注意するのが適切なのでしょう。飯島氏は以下のように話します。

「ナイスショットを引き出すために、素振りやアドレスを入念に行う人も多いでしょう。ほかにも、アドレス後にクラブを小刻みに動かしたり、両足を交互にバタバタさせたりする『ワッグル』と呼ばれる行為をする人もいます。一つひとつのルーティンを丁寧に行うと調子が出るという捉え方があるかもしれませんが、ルーティンが長すぎると余計な力が入ってしまうという意見もあります。なので『素振りは1〜2回にとどめておいた方が、余計な力が抜けて打ちやすくなるみたいですよ』と話題を持ちかけるように言ってみると良いでしょう」

 スロープレー気味になっているのが上司や目上の人だった場合「注意するのが怖くてためらってしまう」と考える人も多いはずです。その際は、キャディー経由でプレーファストを促す旨を伝えれば「キャディーからのアドバイス」と捉えて実践してくれるかもしれません。

 周りからスロープレーだと思われている人に限って、自分自身がペースを遅らせていることに気が付いていない人が非常に多いそうです。そのため、いずれはどこかのタイミングで教えてあげなければいけませんが、相手によっては角を立たせないように優しく指摘するなどの工夫が重要です。

ピーコックブルー