愛媛県八幡浜市でかんきつの生産加工販売を手がける「ミヤモトオレンジガーデン」(宮本泰邦社長)がミカン畑でのドローン操作技術を伝える講座を開講した。7日の初講座には県内外の2人が参加。かんきつの効率的栽培に必要となる農薬の選定や操縦方法などの知識を学んだ。同社によると、かんきつ農業法人による講座開設は国内初という。
 同社は温州やせとかなどのかんきつ約20品種を栽培。生産工程の標準化の一環として2021年にドローンによる防除を始めた。現在では農薬のほか肥料散布など計5台のドローンを活用している。
 同社によると、近年は立体的に地形を把握する衛星利用測位システム(GPS)の機能が向上。ドローンの風で葉の裏側まで防除できるなど機器改良が進み、使用できる農薬の種類も広がっている。「生産者の視点で役立つ技術を伝えたい」とドローンスクールを企画した。
 初講座には静岡県のかんきつ生産者とかんきつ農業に関心を持つ西予市の男性が参加。ドローンの性能や約30種類の農薬、肥料の取り扱い方法などを学んだ後、傾斜のある園地でドローンを使った測量やルート作成、果樹の高さに合わせ液体散布などを体験した。