トナラーの心理とは 「広い駐車場に自分の車をポツンと止めるのですが…」

 ゴールデンウイーク(GW)などの大型連休はドライブのお出かけを楽しみたいが、駐車場に車を止める際に、悩ましい現象に見舞われてしまうこともある。うまいこと両脇が空いているスペースやがら空きの駐車場を見つけて、駐車。用事を済ませて戻ってきたら、なぜか隣りに誰かの車が止まっている……。いわゆる「トナラー問題」だ。周りが空いているのに、なぜわざわざ隣りに止めてしまうのか。その心理とは? 自動車愛好家たちに分析してもらった。

「あれはなんなんでしょうね、どうして隣りにわざわざ駐車するんでしょうね。トナラー問題はちょっとした困り事です」。

 自動車業界で働く男性は首をかしげる。男性は何度も経験しているといい、「広い駐車場に自分の車をポツンと止めるのですが、戻ったら自分の車の横に止まっていることがあるんです。なんか悪いことしたかな? と思ってしまいます」と不思議がる。

 ある女性ドライバーは「ウチは犬を乗せているので、乗り降りしやすいように、スペースを保ちたい事情があります。それで空いているところを探すのですが、時たま隣りに止まっていることがありますね。なんでわざわざ? と不気味に思うことがあります。車上荒らしじゃないか、と、一瞬疑ってしまうこともあります」と苦笑い。確かに、防犯上の不安もよぎってしまう。

 それに、乗降スペースを広くしたいために、壁や柱の片側に少し寄せて止める。その空間を詰められてしまうこともあり、車好きの男性は「出られないじゃんって(笑)。こっちはいろいろ考えて駐車するのですが…」と話す。

 総合的に踏まえると、「駐車する際に目印がないと、前後左右の感覚がつかめず止められない。そんなドライバーがいるのだろう」。多くの自動車愛好家は、トナラーの心理についてこう分析する。慣れない、または、苦手な人が止めるための参考にしているという推論だ。

 20代の2台持ちオーナーは「道端で人が集まっているとなんだろうと見に行ったり、行列ができていると並んでしまうことはありますよね。もしかしたらそういった心理で、空いている駐車場に1台止まっていると、近くに止めたくなってしまうのかもしれません」との見解を示す。

 自動車業界の男性は「きれいに磨いてある車は運転手がマイカーを大事に扱っている証拠なので、『この人の横なら大丈夫だろう』と止めることも1つの理由かもしれません。僕自身もそう思っていて、実際に隣りに止めさせてもらうことがあります」と、新たな観点を指摘する。例えば、同じメーカーの同じ車種、スポーツカーならスポーツカー。同じ愛好家であることが予想でき、ある一定の信頼が生まれるという考え方だ。

 しかし、結局のところ、「何かよからぬことがあるんじゃないかと考えてしまうと、どこまでも答えは見つからないので、どうしようもないかなと。もちろん防犯対策はしっかりしたうえで、気を付けるところは気を付けながらも、あまり深く考えないことが一番かもしれません」。

 不要な駐車トラブルは避けたいところ。気味が悪いかもしれないが、トナラーの人が駐車しても、寛容な心で見守ることが最適解なのかもしれない。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム