「Wings for Life World Run」に出席

 元プロ野球選手の赤星憲広氏、舞闘派アイドルグループ・仮面女子の猪狩ともかが5日、東京・神宮外苑で行われた世界最大のランニングイベント「Wings for Life World Run(ウィングス・フォー・ライフ・ワールドラン 2024)」に出席した。

「Wings for Life World Run」は日本だけでなく、オーストリア、ブラジル、スロバキアなど脊髄損傷の治療方法発見に取り組む研究の資金助成を目的に全世界で一斉にスタートするランニングイベント。スタートから30分後に、バーチャル・キャッチャーカーがランナーを追い抜く。結果は時間と距離だけでなく、世界での自分の順位も知ることができる。

 また、ランニングとしての競技的な魅力に留まらず、仮装しながら楽しく走れる。日本では、スマホアプリを使って普段自身が走っているコースを走るアプリランと、アプリランの参加者が集まって走る”アプリランイベント”を開催。エントリー料は寄付金として100%が脊髄損傷の治療法を見つけるための研究費に充てられる。この日、神宮外苑の会場には500人の参加者が集まった。

 赤星氏は2000年に阪神タイガース入団。1年目に盗塁王と新人王を獲得し、05年まで5年連続盗塁王を獲得。ゴールデングラブ賞を6度受賞。09年に試合中のダイビングキャッチで中心性脊髄損傷と診断され、同年惜しまれながら現役を引退した。

 猪狩は2017年に仮面女子のメンバーとしてデビュー。18年、歩道を歩いていたところ看板が強風で倒れる事故に巻き込まれ脊髄を損傷。両下肢完全麻痺と診断され、以降車椅子で活動している。

 ランニング開始前にはトークセッションを開催。昨年に続き、2度目の参加となる赤星氏は「昨年は雨だったんですよね。雨の中でみんなと走るのもなかなかないですし、なによりも世界同時進行。日本では夜走りますけど、世界では昼間に走っている場合もある。脊髄損傷の普及につながっているということを考えながら走るのは感慨深い」と話した。

 今回、アンバサダーとして初参加する猪狩は「お話を頂くまで、こちらのイベントを知らなかった。脊髄損傷の治療の研究に役立つイベントがあるということを知ってなんて素晴らしいイベントだと。もっとたくさんの人に知っていただきたい。少しでも貢献できたらという思いでアンバサダーを受けさせていただきました」といきさつを明かした。

 ランナーの装いで登場した赤星氏は、今回の目標を「引退してだいぶたちますのでマイペースに逃げようかなと。楽しく走れれば……」と笑った。写真撮影にも気軽に応じていた。

 猪狩は「今回始めてなのでどれくらいが平均なのかが未知数。車椅子で3キロくらい走れたと聞いたのでその辺を目指して頑張りたい」と意気込んだ。

 また同イベントには5年前に脊髄損傷で下半身不随になった作家・渋谷真子氏、コツメカワウソの妖精ちぃたん☆、男子プロサーファーの五十嵐カノア、プロ山岳ランナーの上田瑠偉、プロスノーボーダーの鬼塚雅、大塚健らも参加した。ENCOUNT編集部