国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査によると、給与所得者の平均給与は458万円です。年収1000万円は、平均給与額の倍以上の金額にあたるため、年収1000万円稼ぐのはかなり厳しいと感じる人もいるでしょう。しかし、30代でも年収1000万円を稼いでいる人もいます。   そこで今回は、30代で年収1000万円稼いでいる人の割合と、年収1000万円を目指せる業界についてご紹介します。

30代の平均給与額は？

30代の男女それぞれの平均給与額は、男性がおよそ29万円〜33万円、女性がおよそ24万5000円〜25万5000円です。
 
厚生労働省の令和元年賃金構造基本統計調査結果の概況より、30代の平均給与額とそれを基に計算した年収が表1です。
 
表1

年齢 賃金 年収
（ボーナスなし） 		年収
（ボーナス給与4ヶ月分）
30〜34歳
（男性） 		29万800円 348万9600円 465万2800円
35〜39歳
（男性） 		32万8400円 394万800円 525万4400円
30〜34歳
（女性） 		24万7400円 296万8800円 395万8400円
35〜39歳
（女性） 		25万6200円 307万4400円 409万9200円

※厚生労働省令和元年賃金構造基本統計調査結果の概況（7）賃金の分布第7表賃金階級、性、年齢階級別労働者割合（2-1）（2-2）を基に筆者作成
 
ボーナスを年に給料の4ヶ月分もらったとしても、年収は男性でおよそ525万円、女性でおよそ410万円と、年収1000万円の半分ほどです。
 

30代で年収1000万円以上の割合

年収1000万円以上稼ぐためには、ボーナスを年に月給4ヶ月分もらっている人の場合、ひと月当たり62万5000円、ボーナスがない場合およそ83万3000円必要です。そこでここでは、ひと月当たり60万円以上の収入がある人の割合を、令和元年賃金構造基本統計調査の概況を基に作成した表2で確認しましょう。
 
表2

賃金 30〜34歳
（男性） 		35〜39歳
（男性） 		30〜34歳
（女性） 		35〜39歳
（女性）
60万〜79万9900円 0.9％ 1.9％ 0.4％ 0.5％
80万〜99万9900円 0.2％ 0.4％ 0.1％ 0.2％
100万円以上 0.2％ 0.4％ 0.1％ 0.1％
計 1.3％ 2.7％ 0.6％ 0.8％

※厚生労働省令和元年賃金構造基本統計調査結果の概況（7）賃金の分布第7表賃金階級、性、年齢階級別労働者割合（2-1）（2-2）を基に筆者作成
 
ボーナスをもらっている場合、35〜39歳男性でおよそ2.7％、同年代の女性でおよそ0.8%の割合で1000万円以上稼いでいることになります。また、30代前半よりも後半の方が割合が高いことから、歳を重ねることで年収が増えていく可能性もあります。
 

30代で年収1000万円以上も夢ではない！？ 高年収を目指せる業界

30代後半男性の2.7％、30代後半女性の0.8%ほどが稼いでいると考えられる年収1000万円。業界によって、高額な年収を受け取っている給与所得者の多い業界とそうでない業界があります。国税庁の民間給与実態統計調査結果によると、年収800万円を超える給与所得者が20％を超える業界が14種のうち3種ありました。もっとも割合が多い業界は電気・ガス・熱供給・水道業の43.5％で、次いで28.1％の金融業・保険業、そして23.7％の情報通信業です。これらの業界であれば、年収1000万円も目指しやすいでしょう。
 

年収1000万円以上の人はかなりの少数派！

30代後半の男性で年収1000万円以上の割合は、全体の2.7％で、30代後半の女性で年収1000万円以上の割合は、全体の0.8％でした。このことから、年収1000万円を目指すのは簡単なことではないことが予測できます。ただし、業界によっては高い年収を受け取っている割合の多い業界もあります。そのため、今後転職を考えている方は、検討してみてもよいでしょう。
 

出典

国税庁 標本調査結果民間給与実態統計調査結果（業界別の給与階級別分布）（第19図）業界別の給与階級別構成割合（25ページ）
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査概要
厚生労働省令和元年賃金構造基本統計調査　結果の概況（7）賃金の分布（10・11ページ）
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー