チームをまとめる責任ある立場につくと、手当てがついたり昇給したりして年収が増えることが一般的です。チームリーダーになって給料が増えたとしても、納得いく金額ではない場合、同世代と比べて自分の給料が多いのか、少ないのかを知っておくことも大切です。   この記事では、25歳のチームリーダーにとって、年収300万円という金額は多いのかどうかを平均賃金などのデータを元に解説していきます。

企業規模別・性別で見た25〜29歳の平均賃金

25歳の労働者の平均賃金は企業規模別、性別、産業別などによって大きく異なります。企業規模別・性別で見ると、例えば、25〜29歳の男性で大企業勤務の場合、賃金が27万4700円なのに対し、中企業勤務では25万3000円、小企業勤務では24万6800円です。
 
同様に女性も、大企業勤務では25万5500円、中企業勤務は23万6900円、小企業勤務では22万5600円となり、最も多い大企業勤務の男性と最も少ない小企業勤務の女性とでは5万円近くの差があります。
 
ボーナスを考慮しなかった場合、最も多い大企業勤務の男性は年収329万6400円、最も少ない小企業勤務の女性は年収270万7200円です。仮にボーナスが年間で2ヶ月分だったと仮定すると、最も多い大企業勤務の男性は年収384万5800円、最も少ない小企業勤務の女性は年収315万8400円となります。
 
このデータを踏まえると、25歳で年収300万円というのは小企業勤務の女性であれば平均的、大企業勤務の男性であればかなり少ないといえるでしょう。
 

産業別・性別で見た25〜29歳の平均賃金

産業別・性別でも賃金は大きく異なります。25〜29歳の男性で最も賃金が多いのは金融業・保険業勤務の29万5600円、最も少ないのは複合サービス事業勤務の23万1200円です。25〜29歳の女性で最も賃金が多いのは、鉱業・採石業・砂利採取業勤務の27万9100円、最も少ないのは複合サービス事業勤務の21万3600円となっています。
 
世代間で最も多い金融業・保険業勤務の男性と、複合サービス事業勤務の女性とでは8万円以上の差があります。
 
同様にボーナスを考慮しなかった場合、最も多い金融業・保険業勤務の男性は年収354万7200円、最も少ない複合サービス事業勤務の女性は年収256万3200円です。
 
仮にボーナスが年間で2ヶ月分だったと仮定すると、最も多い金融業・保険業勤務の男性は年収413万8400円、最も少ない複合サービス事業勤務の女性は299万400円となります。このケースでも、複合サービス事業勤務の女性であれば年収300万円は平均的、金融業・保険業勤務の男性であればかなり少ないといえるでしょう。
 

同一内容の役職に就いた場合、同一の役職手当を支給する必要がある

チームリーダーは管理職ではありませんが、役職手当がつくことがあります。手当の有無や金額は企業によって異なりますが、厚生労働省の「同一労働同一賃金ガイドライン」には「通常の労働者と同一の内容の役職に就く短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の役職手当を支給しなければならない。」と記載されています。
 
責任の範囲や労働時間などが同じチームリーダーには同一の役職手当を支払う必要があることを踏まえ、同じ立場のチームリーダーと手当の金額に差がないか、確認してみても良いでしょう。
 

年収300万円は企業規模別、性別、産業別で考えると少ない可能性も

25歳で年収300万円という金額は年齢別、企業規模別、性別、産業別、ボーナスの有無・金額などの条件によって、多いとも少ないともいえます。ただし、最も給料の多い企業規模、産業で考えると25歳で年収300万円はかなり少ないといえるでしょう。
 
一般的に考えると年齢が上がるにつれ給料は上がるため、使用したデータが25〜29歳の平均であることも考慮しなければなりませんが、チームリーダーという立場を考慮しても多いとはいえないでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況企業規模別
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況産業別
厚生労働省 同一労働同一賃金ガイドライン 第3 短時間・有期雇用労働者 3手当
 

参照

ds journal 【弁護士監修】役職手当の相場は?残業代計算はどうする?企業として注意すべき点
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー