4月1日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。



・日経平均は大幅反落、日銀短観を受けて売り優勢、40000円台を割り込む

・ドル・円はもみ合い、方向感欠いた値動き

・値下り寄与トップは東エレク<8035>、同2位はアドバンテスト<6857>



■日経平均は大幅反落、日銀短観を受けて売り優勢、40000円台を割り込む



日経平均は大幅反落。前営業日比604.22円安(−1.50%)の39765.22円(出来高概算10億株)で前場の取引を終えている。



3月29日の米国株式市場はグッドフライデーの祝日で休場。為替は1ドル151円30銭台で推移した。



米国市場休場で売買材料に乏しいなか、東京株式市場は買い優勢で取引を開始した。ただ、買い一巡後は、日本銀行が朝方に発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が、前回(2023年12月調査)比2ポイント悪化のプラス11と4期ぶりの悪化となったことが嫌気されて、トヨタ自<7203>など自動車が下げ幅を拡大。高寄り後の日経平均は前営業日比マイナス圏に突入した後は、節目の40000円台も割り込む大幅安の展開となった。取引時間中の40000円割れは3月19日以来となる。



日経平均採用銘柄では、三菱重<7011>、川崎重<7012>の下げが目立ったほか、レゾナック<4004>、スクリーンHD<7735>、アドバンテスト<6857>も下落した。また、足元強かった三井不動産<8801>、住友不動産<8830>、東京建物<8804>など不動産株も売り優勢となった。



一方、中国の3月製造業購買担当者景気指数(PMI)が50.8と半年ぶりに節目の50を上回ったことから、ファナック<6954>、安川電機<6506>、資生堂<4911>、花王<4452>、村田製作所<6981>など中国関連銘柄の一角が買われた。また、一部証券会社のレポートを材料に楽天グループ<4755>、シチズン<7762>も買われた。



全セクターが下落するなか、石油・石炭製品、輸送用機器、銀行業、鉱業、証券・商品先物取引業の下げが目立った。



3月日銀短観は、大企業製造業の景況感を示すDIが4期ぶりの悪化となることが既に伝わっており、市場予想通りの結果となったが、大型株を中心にじりじりと下げ幅を拡大する展開となった。朝方から金融機関の売りが入っていたとの一部観測もあり、下げ足を強めたようだ。本日の海外市場は、イースターマンデーの祝日に伴い英国、欧州、香港、オセアニア市場は休場となっていることで、午後の東京市場は商いが減少する可能性はあるが、大型株を中心に押し目を狙う動きを期待したいところ。売られすぎ感がやや強いことから、後場は下げ幅縮小の展開を想定したい。



■ドル・円はもみ合い、方向感欠いた値動き



1日午前の東京市場でドル・円はもみ合いとなり、151円前半で方向感を欠く値動きとなった。日銀短観の悪化で円売りに振れる場面もあったが、鈴木財務相の円安けん制発言で円買いに押された。一方、日経平均株価は大幅に下げ、やや円買いに振れた。



ここまでの取引レンジは、ドル・円は151円25銭から151円42銭、ユーロ・円は163円15銭から163円42銭、ユーロ・ドルは1.0785ドルから1.0798ドル。



■後場のチェック銘柄



・コロンビア・ワークス<146A>、総医研ホールディングス<2385>など、5銘柄がストップ高



※一時ストップ高(気配値)を含みます



・値下り寄与トップは東エレク<8035>、同2位はアドバンテスト<6857>



■経済指標・要人発言



・日・3月調査日銀短観・大企業製造業業況判断DI:+11(予想:+10、12月:+12)

・日・3月調査日銀短観・大企業非製造業業況判断DI:+34(予想:+32、12月:+30)

・日・3月調査日銀短観・大企業全産業設備投資:前年度比+4.0%(予想:+9.5%、12月:+13.5%)

・中・3月財新製造業PMI:51.1(予想:50.8、2月:50.9)



【要人発言】



・鈴木財務相

「行き過ぎた動きにはあらゆる手段を排除せず適切に対応」

「内外の経済状況やインフレ動向などを踏まえると投機的な動きがみられる」



<国内>

特になし



<海外>

・イースターマンデー休場:NZ、豪、香港、独、仏、伊、スイス、英、カナダなど