福島県浅川町の吉田富三記念館は、町内出身の世界的がん研究者・吉田富三博士の逸話を集めた冊子「みみず鳴く」を100部発行した。

 吉田博士の人間性や人生に理解を深めてもらおうと制作を決めた。「吉田富三と野口英世」「府立一中不合格」「文学への目覚め」などの15編を収めている。町内の小中学校、図書館に配布する。

 文章は当時の方言や訛(なま)りでつづられている。読みにくい部分もあるが、理解を助けてくれる「漢字」の重要性を感じられる冊子となっている。訛りで旧制中学受験に苦労し、漢字仮名交じり文による日本語の確立に尽くした吉田博士の思いを記念館が形にした。

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 石川町吉田富三顕彰会と吉田富三記念館は29日午後2時から、同館で吉田博士の逸話に関する語り部会を開く。

 浅川語り部の会が出演する。冊子「みみず鳴く」から七つの逸話を披露する。

 入館無料。定員50人。申し込み、問い合わせは吉田富三記念館へ。

(県南版)