JR福島駅東口の再開発事業を巡り、福島市と福島駅東口地区市街地再開発組合は23日、駅東口にコンベンションホールを新設する計画のコンセプト案を示した。建物1階に建設予定のホールと、駅前通りに面した広場とをつないで街との一体感を生み出す構想が柱。市が設置した「駅周辺まちづくり検討会」もおおむね賛同しており、木幡浩市長は5月1日に開く市議会全員協議会で同案を説明する。
 23日、福島市で開いた検討会で木幡市長が説明した。「にぎわい、文化、つながり」を生む「たまご」をキーワードに、これまで検討会や市議会で出された意見を踏まえ、コンベンション案を進めるためのたたき台として作った。
 コンベンション案は建物の1階にホールを設置する構想のため、その利点を生かし、駅前通りに面した広場とホールとの間仕切りを可動式にしたり、駅前通り側に屋内広場(仮称・まちなかリビング)を設けたりする案を提示。ホールでイベントを催す際、広場や駅前通りのにぎわいも生み出し、街との一体感や市民とのつながりを創出する狙いで、木幡市長は「施設と街がつながり、相乗効果を生み出せるのではないか」と語った。
 コンセプト案にはほかに、ホール内の間仕切りを可動式にして大小さまざまな規模の会合に対応できるようにしたり、移動観覧席を設けて斬新な演出を可能にしたりといった仕掛けも盛り込んだ。
 検討会には、地元経済やまちづくりに関わる市民ら11人が出席。今後、委員の意見をまとめた上で、市に提言する見通し。市は検討会のほか、市議会全員協議会や若者の意見を聞く「駅前まちづくりワークショップ」で出された意見を踏まえて5月中に方針を固め、6月3日開会予定の市議会定例会への議案提出を目指す。
 市は再開発事業を巡り、資材価格高騰を受けて当初の計画から「劇場ホール」か「コンベンションホール」のいずれかを単独で設ける案に縮小。コンベンション案を軸に協議が進んでいる。