福島大は22日、学生食堂で北海道森町産のホタテを使ったメニューの提供を始めた。同町は東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡って、中国による日本産水産物の全面輸入停止で打撃を受けたホタテの産地で、学生が風評被害を考える機会になるよう実施した。
 町は、禁輸措置によって出荷できないホタテを水産加工業者から買い取り、全国の学校給食に無償提供している。
 小中学校が対象だったが、東日本大震災の復興支援をきっかけに福島大との交流が続いていたことから、同大にも冷凍ホタテ75キロを無償提供した。
 学食では、具材にホタテを使った味噌(みそ)ラーメン(1杯500円)を24日まで提供している。初日に行った販売セレモニーには同町の岡嶋康輔町長も参加。岡嶋町長は「多くの自治体や学校の協力が水産業の励みになっている。ホタテのおいしさをぜひ味わってほしい」と話した。
 西村優菜さん(食農学類2年)は「ホタテの味が濃く、食感もしっかりしていておいしかった」と笑顔を見せた。