26日午前10時ごろ、いわき市平字田町で建物火災が発生したと通報があった。飲食店から出火したとみられ、火は周囲に延焼し、約11時間半後に鎮火した。いわき中央署と市消防本部によると、けが人は確認されていない。同署と消防が出火原因や損害などを調べている。
 関係者によると、少なくとも5棟が燃えたとみられる。現場近くのビルを所有する男性(66)は「『パンパン』というスプレー缶が爆発するような音が5回聞こえ、見に行ったら(飲食店から)道に向かって火が出ていた」と出火当時の状況を話した。風が強かったため燃え広がったという。
 延焼で経営していた店を失ったという女性(73)は「これからどうしたらいいか」と途方に暮れた様子だった。現場近くに住む会社役員の男性(62)は「ここは古い建物が密集している場所。家は残ったが、煙の影響が心配」と話した。
 現場はJRいわき駅から南西約200メートルの飲食店が立ち並ぶ繁華街。煙が立ち込める中、多くの飲食店関係者が不安そうに消火活動を見守った。