ナポリタンにトンカツ、ハンバーグにエビフライが一つのお皿に載った、長崎名物の「トルコライス」。“大人のお子様ランチ”とも呼ばれ、長崎のみならず関西・関東圏でも「ご当地トルコライス」が存在するが、発祥(諸説あり)の地である長崎でイチオシのトルコライスに注目した。

めざましテレビで大注目!客が2倍に

大きなエビフライやトンカツなどが惜しげもなく贅沢に乗ったトルコライス。長崎市でフレンチや創作料理を提供している「ビストロ ボルドー」の「スペシャルトルコライス(1,780円)」だ。

サフランライスには長崎県産米を使用し、長崎和牛や長崎ハーブ鶏から出汁を使ったナポリタン、西海ポークのトンカツと長崎和牛のハンバーグ、そして上には巨大なエビフライが降臨。まさに“スペシャル”なトルコライスだ。

スペシャルトルコライスは、めざましテレビの放送30周年を記念した「FNSご当地うま撮グランプリ」で、九州・沖縄ブロック代表の選りすぐりのご当地グルメとしても紹介された。

めざましテレビのスタッフが店を訪れ、調理風景や店の賑わいなどを取材し、2023年9月にめざましテレビで放送されると、客が2倍になるなど大きな反響があった。

ビストロ ボルドー・田村愛花さん:
スペシャルトルコライスは以前に比べて3倍。すごい時は4倍のオーダー数になっている

その後、東京で開かれたイベントには全国29都道府県から選ばれた5つのブロックの代表がキッチンカーで出店。

日本一をかけて決選投票にのぞんだ「ビストロ ボルドー」の「スペシャルトルコライス」は事前のウェブ投票では1位を獲得。イベントでは味も量もそのままで普段より500円以上安い特別価格(1,200円)で勝負をかけた。

東京のイベントで「スペシャルトルコライス」を食べた来場者:
この値段で安いなと思った。好きなものの組み合わせでスペシャルな感じ

投票の結果「スペシャルトルコライス」は4位にランクイン。ボリューム満点の長崎名物「大人のお子様ランチ」の魅力を全国にアピールした。

諸説あり 発祥のルーツは

そもそも「トルコライス」はなぜ、どうやって生まれたのか、発祥のルーツを辿ると様々な説が浮かび上がってきた。

一つは、「ビストロ ボルドー」店主の父・植原一郎が神戸の将校クラブに勤めていた頃、外国人に冷やご飯を炒めたものを「ヤキメシ(焼飯)」として出せなかったため、トルコ国の「ピラウ(炊き込みサフランピラフ)」に似せた「トルコ風ライス」を考案したという説だ。

ライスにはサフランやターメリックなどで色付けしていたが、客から「粉くさい」と言われカレー粉で炒めるようになったという。また「おかずがほしい」との声から、そこにスパゲッティとトンカツを添えて出した料理が「トルコライス」の原型だ。その後長崎でレストランのシェフとして働いていた植原一郎をきっかけに、トルコライスが長崎で広まったという。

他にも、「レストラントルコ」という店が出していた料理に、店名から「トルコライス」と名付けたという説や、トルコライスを構成するそれぞれの料理、チャーハンが中国、スパゲッティがイタリアなど、どこかの国や地域にあてはめ、その中間にあるのがトルコだとする地理的な理由で名前がついたという説など、諸説ある。

もはや”変幻自在”の食の競演

一言にトルコライスと言っても、洋食・和食・中華・フレンチなど食のジャンルの域を超えて独自のジャンルを形成しているといっても過言ではない。長崎のみならず、関東・関西などでも、店独自のトルコライスが続々と誕生しているのも魅力のひとつだ。

長崎では、トンカツの上にカレーソースがかかったものや、トンカツではなくご当地名物のアジフライが乗ったもの、さらには「一皿に好きな料理を乗せればトルコライス」という概念で作られた、海鮮丼専門店が考案した”刺身が乗ったトルコライス”まで登場している。

王道を食べるもよし。変わり種を食べるもよし。

ひとつのお皿で繰り広げられる食の競演「トルコライス」は、土地や店の特色を取り込み進化を続けながら、多くの人のお腹と心を満たしてくれそうだ。

(テレビ長崎)