浦和がAWCC決勝で2-1と勝利

 三菱重工浦和レッズレディースは5月10日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のプレ大会「AFC Women’s Club Championship 2023 – Invitational Tournament(AWCC)」の決勝で仁川現代製鉄レッドエンジェルズ(韓国)と対戦。先制を許したものの、MF清家貴子とFW島田芽依のゴールで2-1の逆転勝ちを収め、アジア女王に輝いた。

 今大会は昨年にタイとウズベキスタンでグループリーグが集中開催され、浦和と仁川が勝ち抜けた。開催予定だった決勝は、一度はアジアサッカー連盟(AFC)により実施しないことが発表されたが、WEリーグや浦和が開催の再考を依頼するレターを日本サッカー協会(JFA)経由でアジアサッカー連盟(AFC)に送り、韓国側とも協議し開催する運びとなった。浦和は昨季のWEリーグを制し、今季も首位を快走中。一方の仁川は韓国女子サッカーリーグ(WKリーグ)を11連覇中の強豪クラブだ。

 立ち上がりからボールを保持した浦和だが選手たちに少し緊張の色が見られるなかで前半13分、フリーでボールを持ったセンターバックのDF長嶋玲奈が相手DFチュ・ヒョジンの寄せに気づかずボールを失ってしまうと、こぼれ球を拾ったMFイ・ソヒに強烈なミドルシュートを決められてしまった。

 それでも浦和は前半22分、右サイドから中央のMF伊藤美紀につなぐと相手の最終ライン背後に浮き球パスを供給。抜け出したMF清家貴子がワンバウンドのボールを右足ボレーで叩き込んで同点ゴール。今季のWEリーグで10試合連続ゴールを含む17得点でランキング首位を独走しているエースがチームに漂う嫌なムードを払拭した。

 さらに前半26分、MF塩越柚歩の右コーナーキックにFW島田芽依が頭で合わせて逆転ゴール。5分間の2ゴールでスコアを2-1とひっくり返した。浦和はこのまま1点リードでハーフタイムを迎え、後半に向けて負傷から復帰してきたDF高橋はなを長嶋に代えて投入した。一方の仁川は5バックで守備を固めた前半から一転し、4バックに変更して攻撃的な姿勢を見せるようになった。

 立ち上がりこそ仁川の出方に戸惑いを見せた浦和だがペースを取り戻し、後半19分には敵陣で塩越がボールを奪ったところから島田、清家とつながり決定機を迎えたが、清家のシュートは相手GKにセーブされた。後半30分にはパスワークから塩越が抜け出してGKと1対1になるも、右足シュートは枠外に飛び追加点とはならなかった。

 それでも浦和駒場スタジアムに駆け付けた5271人の観衆の前で2-1と逃げ切り勝利。男子のトップチームがACLを3回優勝しているのと合わせ女子もアジアの頂点に立ち、欧州でもFCバルセロナ(スペイン)しか達成していない男女大陸王者という快挙を成し遂げた。

FOOTBALL ZONE編集部