仁川対FCソウルの試合終了後にサポーターがペットボトルを投げつける騒動

 韓国1部FCソウルは5月11日、Kリーグ1第12節で仁川ユナイテッドと敵地で対戦。2-1で逆転勝利を収めた一方、試合終了直後に仁川サポーターがFCソウルの選手に向かってスタンドから大量にペットボトルを投げつける騒動が勃発。同僚を守ろうとした元韓国代表MFキ・ソンヨンは、股間にペットボトルが直撃してピッチに倒れ込む事態に。現地メディアは「キ・ソンヨンが仲間を救うためにペットボトル投げつけの急所直撃に沈む」と見出しを打ち、被害に遭ったレジェンドの怒りを伝えている。

 上位対決となった一戦は前半37分、FWステファン・ムゴシャに先制を許すも、後半4分に同点弾を奪い、同18分には昨季までセレッソ大阪でプレーしていたDFマテイ・ヨニッチのオウンゴールにより逆転に成功。仁川をかわし4位に浮上した。そんななか、試合後にソウルのGKペク・ジョンボムがホームで逆転負けを喫した仁川側のスタンドに向かって煽るような渾身のガッツポーズを披露した。

 傷口に塩を塗られるようなジェスチャーに怒りを爆発させた仁川サポーターが選手に向かって水の入ったペットボトルを大量に投げつける行為に及ぶことに。この暴動を受け、仁川の選手だけでなく、FCソウルの選手も駆けつけ、サポーターにペットボトルの投げつけ行為を止めるよう訴えていたなか、ピッチに放り込まれたペットボトルの1つがキ・ソンヨンの股間に直撃。そのままピッチに倒れ込み苦悶の表情を浮かべた。

 韓国メディア内でも大きな話題となっているなか、韓国紙「ノーカットニュース」は「キ・ソンヨンが仲間を救うためにペットボトル投げつけの急所直撃に沈む」と見出しを打ち、「幸いにも深刻な負傷にはつながらなかった」と大事に至らなかったとしつつ、「飛んできたペットボトルがキ・ソンヨンの急所を襲い、ピッチに倒れた。苦悶のキ・ソンヨンは同僚に抱えられピッチを去った。大きな負傷につながりかねない瞬間だった」と指摘している。

 標的となった同僚のペク・ジョンボムを守るため、ある意味で犠牲となったキ・ソンヨンの試合後のコメントも紹介しており、「どのような意図でペットボトルを投げたのか分からないが、危険な行為だ」「(煽りへの反発だとしても)ペットボトルを投げていい理由になるのか? 人に傷を負わせる行為なんだ」と怒りを滲ませ、「サッカー連盟が適切な措置を講じるだろう」と、然るべき処罰を望んでいた。

 キ・ソンヨンはこれまでセルティックやスウォンジー・シティ、ニューカッスルなど欧州の舞台で長らく活躍し、母国帰還後も韓国サッカーを盛り上げるレジェンドが思わぬ被害を受ける羽目となったものの、危ない目に遭う同僚を守ろうとしたその姿勢は称えられるべきだろう。

FOOTBALL ZONE編集部