●10位:南野拓実

 並外れたタレントのみがたどり着けるサッカー日本代表。彼らはデビューした時にどのように評価されていたのか。今回はデータサイト『transfermarkt』が算出したデータをもとに、歴代日本代表選手デビュー時の市場価値ランキングを紹介する。※金額が並んだ場合の順位はサイトに準拠。

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生年月日:1995年1月16日
デビュー:2015年10月13日
デビュー時の市場価値:200万ユーロ(約2億8000万円)
デビュー時の所属クラブ:ザルツブルク(オーストリア)

 日本代表デビュー時の市場価値ランキングで10位にランクインしたのは、現在モナコで絶対的な存在として君臨する現役日本代表MF南野拓実だ。南野が日本代表デビューを飾ったのは、ザルツブルク在籍時の2015年10月に行われたイラン代表との親善試合であった。

 ザルツブルク加入2シーズン目の2015/16シーズン、南野は第11節までに6ゴール3アシストを記録、開幕前125万ユーロ(約1億7500万円)だった市場価値を200万ユーロ(約2億8000万円)まで伸ばして、勢いそのまま代表デビューとなった。

 しかしその後は代表定着とはならず3年近く招集されることはなかったが、森保一体制がスタートして台頭する。2018年9月のコスタリカ代表戦から3試合連続ゴールをあげ、香川真司や本田圭佑、岡崎慎司に変わるタレントとして注目を集めた。

 常連メンバーとなった南野は現所属のモナコでの不調もあり、FIFAワールドカップ2022後に日本代表から離れることもあったが現在は復調して返り咲き、市場価値も自己最高額となる1500万ユーロ(約21億円)を記録している。復活からさらなる成長を遂げた南野は第2次森保ジャパンでも絶対的な存在となることができるか。

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●9位:宇佐美貴史

生年月日:1992年5月6日
デビュー:2015年3月27日
デビュー時の市場価値:200万ユーロ(約2億8000万円)
デビュー時の所属クラブ:ガンバ大阪

 9位にランクインしたのは、現在ガンバ大阪のキャプテンを務める宇佐美貴史だ。日本代表デビューした2015年3月27日当時の市場価値は200万ユーロ(約2億8000万円)であった。

 ガンバ大阪育成組織の最高傑作とも言われ、16歳でトップチーム昇格を果たした宇佐美は2010シーズンにJ1で7得点と早速ポテンシャルを発揮した。アルベルト・ザッケローニ監督に見出され2011年6月に日本代表に初選出、同年7月にはバイエルン・ミュンヘンに期限付き移籍して欧州挑戦とキャリアを駆け上がって行った。

 しかしドイツでは思うような結果を残すことができず、その間日本代表でもデビューを果たすことができなかった。状況が一変したのはガンバ大阪に復帰して2シーズン目となる2014シーズンで、J1で10ゴール10アシストをマーク。下降していた市場価値も上昇に転じ、2015年3月のチュニジア代表戦で日本代表デビューとなった。

 このガンバ大阪時代は日本代表でも継続的なプレー機会を得ていたが、2016/17シーズンより欧州に再挑戦してからはクラブで好調だった2018年前半を除いて招集メンバーに名を連ねることも少なくなった。現在は約5年間日本代表から遠ざかっている。

●8位:堂安律

生年月日:1998年6月16日
デビュー:2018年9月11日
デビュー時の市場価値:250万ユーロ(約3億5000万円)
デビュー時の所属クラブ:フローニンゲン(オランダ)

 現在日本代表の10番を背負っている堂安律が8位にランクインした。堂安はワールドカップイヤーの2017/18シーズンにガンバ大阪からオランダのフローニンゲンへ移籍し、評価を急上昇させた。

 このシーズンを29試合出場9ゴール4アシストでフィニッシュし、「U-21バロンドール」とも称される「コパ・トロフィー」受賞候補者にノミネートされる活躍を見せる。市場価値も250万ユーロ(約3億5000万円)まで上昇し、FIFAワールドカップの前から注目を集めていた堂安は大会後に森保一監督のもとで日本代表デビューを果たした。

 デビューから3戦目のウルグアイ代表戦では代表初ゴールを決め、注目の集まる南米の強豪との一戦で大きな存在感を示した。堂安は現在の日本代表でも攻撃の中心選手となっており、先日のワールドカップアジア2次予選でも田中碧の決勝点をお膳立てしている。

 現在の堂安の市場価値は1800万ユーロ(約25億2000万円)で、デビュー当時から大きな成長を遂げた。堂安の年齢とポテンシャルを考えれば、ここからさらに評価を高める可能性もあるだろう。

●7位:宮市亮

生年月日:1992年12月14日
デビュー:2012年5月23日
デビュー時の市場価値:250万ユーロ(約3億5000万円)
デビュー時の所属クラブ:アーセナル(イングランド)

 アルベルト・ザッケローニ監督のもと、19歳で日本代表デビューを果たした宮市亮が7位にランクインしている。デビュー当時2012年5月時点での市場価値は250万ユーロ(約3億5000万円)であった。

 宮市は2011年冬に中京大学附属中京高校からイングランドの名門アーセナルに加入して大きな注目を集めると、2010/11シーズンはフェイエノールトへ期限付き移籍してプレーした。同クラブで加入直後からスタメンの座を掴むと12試合出場3ゴール5アシストを記録して評価を高めた。

 翌2011/12シーズンはアーセナルとボルトン・ワンダラーズでプレー、ザッケローニ監督の目にとまり日本代表デビューを勝ち取った。順風満帆に思えたキャリアだったが、その後宮市は怪我に悩まされ続けることになる。ヨーロッパのクラブを渡り歩くもシーズンを通してほとんどフル稼働できず、日本代表からも離れていった。

 2022年7月、宮市はEAFF E-1サッカー選手権を戦うメンバーに選出されて約10年ぶりの日本代表復帰を果たすも、韓国代表戦で右膝前十字靭帯断裂の大怪我を負ってしまう。そのポテンシャルによって大きな期待をかけられていただけに、“怪我が無ければ”と悔やまれるタレントである。

●6位:森本貴幸

生年月日:1988年5月7日
デビュー:2009年10月10日
デビュー時の市場価値:275万ユーロ(約3億8500万円)
デビュー時の所属クラブ:カターニア(イタリア)

 現在無所属となっている元日本代表FW森本貴幸が6位にランクインしている。15歳でJリーグデビューを果たして注目を集め、10代でセリエAに挑戦した森本が日本代表として初めてプレーしたのは岡田武史監督下の2009年10月のことであった。

 カターニア移籍当初は結果を出せずにいたが、2008/09シーズンはリーグ戦23試合出場7ゴール3アシストを記録した。これにより市場価値も上昇し、日本代表初招集直前の8月には275万ユーロ(約3億8500万円)の評価額がつけられた。

 森本は21歳の代表デビュー戦で1アシスト、続くトーゴ代表戦で代表初ゴールをマークして幸先の良いスタートを切った。しかし2010年のFIFAワールドカップでは本田圭佑がトップとして起用されたこともありピッチに立つことはできなかった。

 自身の負傷も影響し2010/11シーズンからクラブでのプレー時間を減少させると、2012年5月を最後に日本代表から遠ざかってしまうことになる。森本には大きな期待がかけられていたが、日本代表としての出場数は10試合にとどまってしまった。

●5位:鎌田大地

生年月日:1996年8月5日
デビュー:2019年3月22日
デビュー時の市場価値:300万ユーロ(約4億2000万円)
デビュー時の所属クラブ:シントトロイデン(ベルギー)

 2024年になって日本代表から遠ざかっているMF鎌田大地が5位にランクインした。鎌田は2017年7月にサガン鳥栖からフランクフルトに移籍するが出場機会に恵まれず、シントトロイデンへのレンタル移籍を決断する。この選択が功を奏した。

 2018/19シーズンの鎌田はリーグ戦24試合に出場して12ゴール2アシストの好成績をおさめ、2018年12月には市場価値を300万ユーロ(約4億2000万円)まで伸ばすこととなった。そしてその活躍を受けて2019年3月のコロンビア代表戦で日本代表デビューを果たす。

 その後フランクフルトで絶対的な存在へと成長していく中で、2020年10月から代表に定着していく。鎌田は優れた配球で中盤からゲームをコントロールし、チャンスメイクにも秀でて得点能力も高い。現在日本代表のボランチのファーストチョイスは遠藤航と守田英正であるが、ゲームの流れを変える存在として有効な選択肢となる。

 現所属クラブのラツィオでの不振もあってかAFCアジアカップ2023以降代表に選出されていないが、鎌田の復活は再起を図る日本代表には欠かせないだろう。

●4位:伊藤洋輝

生年月日:1999年5月12日
デビュー:2022年6月2日
デビュー時の市場価値:300万ユーロ(約4億2000万円)
デビュー時の所属クラブ:シュトゥットガルト(ドイツ)

 現役の日本代表DF伊藤洋輝が4位にランクインしている。伊藤は2021年7月にジュビロ磐田からシュトゥットガルトに加入し、そこでの活躍によって台頭した。

 2021/22シーズン序盤戦からセンターバックの定位置を掴むと市場価値も大きく上昇することとなり、移籍当初55万ユーロ(約7700万円)であった評価額は約半年後の12月に300万ユーロ(約4億2000万円)を記録した。

 そしてワールドカップイヤーである2022年6月2日のパラグアイ代表戦で日本代表デビューを果たすと、そのまま本大会を戦うメンバーにも選出され、現在は常連メンバーとして定着している。伊藤の市場価値は右肩上がりに上昇し続け、現時点で2200万ユーロ(約30億8000万円)の値がついている。これは日本人選手の中で4番目に高い金額だ。

 しかし伊藤は日本代表では本職ではない左サイドバックとして起用されており、苦戦を強いられることが多い。優れたフィジカル能力やスピードを活かした高い対人能力に加え、精度の高いフィードやクロスと随所に持ち味を発揮してはいるが、ビルドアップ面に課題も見られる。現日本代表選手の中でもトップレベルのポテンシャルを持っている伊藤だが、今後代表ではどのように起用されていくのか。

●3位:中島翔哉

生年月日:1994年8月23日
デビュー:2018年3月23日
デビュー時の市場価値:300万ユーロ(約4億2000万円)
デビュー時の所属クラブ:ポルティモネンセ(ポルトガル)

 3位にランクインしたのは、現在浦和レッズに所属しているMF中島翔哉だ。2017/18シーズンにFC東京からポルトガルのポルティモネンセに加入して欧州でのキャリアをスタートさせると、中島はまたたく間にブレイクした。

 第27節までに23試合出場9得点7アシストをマークし、移籍時に30万ユーロ(約4200万円)だった市場価値をわずか半年で300万ユーロ(約4億2000万円)まで上昇させる。その活躍がヴァイッド・ハリルホジッチ監督の目にとまると、2018年3月のマリ代表戦で日本代表デビューを飾り、同点ゴールを奪う華々しい活躍を見せた。

 ハリルホジッチ監督が大会直前で解任されたこともありFIFAワールドカップ2018のメンバーには選出されなかったが、その後の森保一監督のもとでは出場機会を得ていた。切れ味の鋭いドリブルで日本のサッカーファンを魅了し、南野拓実と堂安律とともに強力な攻撃ユニットを形成した。

 日本サッカーの未来を担う逸材として注目を集めた中島であったが、2019年にアル・ドゥハイルを経てポルトガルの名門FCポルトに移籍するとキャリアは低迷し、同年11月のベネズエラ代表戦を最後に日本代表からも離れてしまった。浦和でも今季スタメン出場はまだ無い。中島は今後のキャリアで代表デビュー当時の輝きを取り戻すことができるか。

●2位:酒井高徳

生年月日:1991年3月14日
デビュー:2012年9月6日
デビュー時の市場価値:300万ユーロ(約4億2000万円)
デビュー時の所属クラブ:シュトゥットガルト(ドイツ)

 ランキングの2位につけているのは、現在ヴィッセル神戸に所属している元日本代表サイドバックの酒井高徳だ。岡田武史体制下の2010年から日本代表に招集されていた酒井がデビューを果たしたのは、2012年9月6日のUAE代表戦であった。

 強靭なフィジカルを持つ酒井は高い対人能力を誇り、スピードと豊富なスタミナも魅力としている。左右両サイドバックでプレー可能な器用さもあわせ持ち、2009年にアルビレックス新潟でプロキャリアをスタートさせてから右肩上がりに評価を高め続けた。

 ブンデスリーガのシュトゥットガルトに期限付き移籍しても変わらぬ活躍を見せ、日本代表デビュー時の酒井の市場価値は300万ユーロ(約4億2000万円)まで上昇していた。この2012/13シーズンに市場価値はさらに上昇して自己最高金額となる400万ユーロ(約5億6000万円)を記録、酒井は充実のシーズンを送っていたと言える。

 しかしその後、日本代表では長友佑都に内田篤人、酒井宏樹のバックアッパーとしての立ち位置で招集されることが多くなり、初招集から8年間の代表キャリアの中でFIFAワールドカップのピッチに立ったのは2018年大会のポーランド代表戦1試合であった。酒井はこの大会を最後に日本代表から退いている。

●1位:中村敬斗
生年月日:2000年7月28日
デビュー:2023年3月24日
デビュー時の市場価値:500万ユーロ(約7億円)
デビュー時の所属クラブ:LASKリンツ(オーストリア)

 日本代表デビュー時の市場価値ランキングで1位にランクインしたのは、第二次森保一体制下で左WGとしてプレーする中村敬斗だ。デビュー時の市場価値は500万ユーロ(約7億円)であった。

 ガンバ大阪でプロキャリアをスタートさせた中村は2019年夏から活躍の場を欧州に移すが、当初は出場機会に恵まれず市場価値も100万ユーロ(約1億4000万円)を超えることはなかった。しかしLASKリンツに移籍すると評価は上向きになり、加入2年目となる2022/23シーズンに高い得点能力を発揮して市場価値を急上昇させる。

 2023年3月の代表活動までにリーグ戦21試合出場11得点6アシストをマークする活躍を見せて、この勢いのままウルグアイ代表戦で日本代表デビューを勝ち取った。試合終了間際の途中交代での出場であったが、これ以降は日本代表の常連メンバーとなっている。

 左サイドからのカットインや、ボックス内での冷静なプレーと高いシュートセンスを特徴としている中村は日本代表で高い決定率を誇っており、8試合の出場で6ゴールを奪っている。代表デビューからこの1年で評価額はさらに上昇し、現在の市場価値は1000万ユーロ(約14億円)だ。左サイドには三笘薫が強力なライバルとして君臨しているが、中村は日本代表で自らの価値を示し続けることができるか。

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